もしもシャミ子が葬送のフリーレンの世界に飛ばされたら
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78:1[sage saga]
2024/11/01(金) 20:44:00.25 ID:4JAHijIv0
 
 桃もまたその気配を感じていた。永遠に避け続けることなど出来ない。このままでは遠からず、それこそ3秒以内に自分は四肢か命を失うことになる。

 桃は咄嗟に手近にあった遮蔽物の陰に飛び込んだ。石造りの壁。あの貫通魔法を前にしては砂上の楼閣だろうが、ほんの僅かでも時が稼げれば良かった。

 だが不思議なことに、攻撃魔法の連射に明らかな空隙が生まれる。

桃(撃つのを止めた……この石壁、家か。そういえばここは村だったっけ)

 あたりを見回せば、暗闇の中に同じような造りの家がいくつも並んでいるのが目に入る。

 耳を澄ますと家の中で物音がしていた。住民が起きているのだろう。考えてみれば、先ほどから魔法が炸裂する轟音が連続で響いているのだ。たとえ眠っていたとしても叩き起こされるに違いない。

桃(リリスさん曰く、相手は一級魔法使いと名乗った……区分されてるなら組織化されてるってことだ。警察みたいな役割を担っているとしたら、そりゃあ村人に危害は加えられないよね)

 曲射で狙うことは出来るはずだが、それをしないのはこちらの魔力制限の影響で狙いが大雑把になっているからだろう。

 あるいは自分と村人を区別できないのか。魔力だけを感知しているのなら、魔力を持たない石壁を認識できていない可能性もある。

桃(……こっちの世界じゃ一般人も多少魔力を持っているのか。それなら――)



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