もしもシャミ子が葬送のフリーレンの世界に飛ばされたら
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76:1[sage saga]
2024/11/01(金) 20:40:03.86 ID:4JAHijIv0
 
◇村の中

 防御魔法とエーテル体が激突する閃光が、瞬くように連続して起こる。

 閃光の中心にいるのはフリーレンだった。地に足をつけた不動の姿勢のまま、周囲を跳び回る魔法少女の攻撃を最小限の防御魔法で防いでいる。

 背後から仕掛けた渾身の蹴りを極小の結界に受け止められ、桃は思わず舌打ちを漏らした。

桃(こいつ、こっちを見もしないで障壁を的確に展開してくる! おまけに障壁の強度も高い)

 フレッシュピーチハートシャワーを始めとする魔力放出形の攻撃も悉く防がれた。どうやら魔力を拡散させるような仕組みになっているらしく、魔力系の攻撃には特に強いようだ。

 セカンドハーヴェストフォームの速度を活かして、先ほどのように障壁を潜り抜けようとしたがこの白い方相手にはそれも難しい。

桃(これを壊すには――)

 桃は蹴りの反動のまま後ろに跳躍すると、フリーレンの周囲を周るように加速を始める。だが、

フリーレン「なるほど、最初に防御魔法を破った時の威力はいつでも出せるわけじゃないんだね。十分な加速が必要なんだろう」

 フリーレンが数条のゾルトラークを放つ。桃は速度を活かしてそれを回避するが、回避後に見出した新たな加速の為の軌道もまた攻撃魔法によって阻まれる。結果として、思うように速度が得られない。

桃(読まれてるか。でも――)

フリーレン「――む」

 加速を諦めた桃が再びフリーレンへ格闘を仕掛ける。
 最高速度にはほど遠いとはいえ、近距離においては常人が目で追うのは難しいような速度で、桃はフリーレンの左後方に回リ込み、延髄斬りを繰り出した。

 展開された防御魔法が蹴り足を阻み、再度、桃色の紫電のような光が舞う。

 だが、今度は変化があった。それまでと比べて明らかに、フリーレンの展開した防御魔法の範囲が広い。ほぼ半面を覆うように障壁が展開されている。

桃「――やっぱり。こっちを見もしないから変だと思った。私の魔力を感知して防御してるんでしょ」

 桃は体から漏れる魔力を制御し、可能な限り少なくしたのだ。魔力で外界に干渉する魔法少女にとって身体能力の低下にも繋がる行いだが、下がった分は自前の筋力でカバーする。

フリーレン(魔力制限か。完全に魔力を断ってるわけじゃないとはいえ、かなり感知しづらくなった……魔力探知への依存は悪い癖だな。改めないといけないとは思っているんだけど)

 そうして考えている間にも、桃色からの攻撃が激しくなっていく。防御魔法の展開範囲を広くして対応するが、焼け石に水だ。このまま行けば遠からず防御魔法を全面展開しなくてはならなくなる。

フリーレン(やりづらいな。消耗させて拘束するつもりだったんだけど。噂に聞いた影の戦士みたいな奴だ)

桃「攻撃に合わせて障壁を部分的に展開する、なんて技術をわざわざ体得してるってことは、その障壁のコスト、かなり重いんじゃない?」

フリーレン「不思議な物言いをするね。さっきから律儀に回避してるけど、もしかして防御魔法を知らないの?」

 その問いに応えはなく、ただ桃の攻撃の頻度が上がった。

桃(まずはこいつを防御で手一杯にさせて、少しでも魔力を削れれば――)


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