もしもシャミ子が葬送のフリーレンの世界に飛ばされたら
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69:1[sage saga]
2024/11/01(金) 20:30:15.77 ID:4JAHijIv0
 
フェルン「フリーレン様!」

 フェルンは普段ならばしない、防御魔法の全面展開を行った。味方を包み込むように障壁を構築する。

 フェルンもまたその卓越した魔力探知によって魔法の発動に気付いている。遠距離攻撃を目的にした魔法だ。おびただしい数の魔力が、凄まじい速度で飛翔してくる。

 部分展開した防御魔法で防げる数ではない。まずは全面展開で確実に防御し、態勢を整えたフリーレンに攻撃を担当して貰う――そんな戦術だった。

フェルン「……え?」

 だがその目論見は崩壊する。全面展開された防御魔法の"内側"に存在する桃の姿を見ることで。

フェルン(この人、防御魔法を展開する一瞬で、その範囲内に踏み込んできた――?)

 戦士の速度と、魔法に対する確かな知覚。その両方を備えていなければ不可能な技を、目の前の敵は軽々と行って見せたのだ。

 不味い、とフェルンは背筋が泡立つのを感じた。

 防御魔法の範囲は自分とシュタルク、そしてフリーレンをぎりぎり包みこむように設定した。おおむね、半径3mというところだろうか。

 ただでさえ消費の激しい防御魔法を全面展開するのだから、その選択は当然だっただろう。

 だがその剴切が悪手へと裏返る。戦士相手に魔法使いが戦場の広さを限定してしまった!

桃「……」

 ざあ、と魔力で編まれた矢が雨霰と降り注ぐ。それがフェルンの展開した防御魔法によって阻まれる下で、桃色髪の魔法少女は音もなく動き出した。

 たった一歩の踏み込みで魔法少女がフェルンを拳の間合いに捉える。だがその事実さえ、フェルンには知覚できない。


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