もしもシャミ子が葬送のフリーレンの世界に飛ばされたら
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68:1[sage saga]
2024/11/01(金) 20:28:30.13 ID:4JAHijIv0
 
 フリーレンの失敗は。

 桃の洗脳さえ解いてしまえば、この問題は全て解決すると思い込んでいたことだった。

 弄られた認識さえ正常に戻せば、この魔法使いの少女は魔族と敵対するだろう。そう思っていた。

 むしろ警戒すべきは己の兵隊を失うことになる魔族であり、フリーレンの意識はシャミ子に集中していた。桃からは逸れていたのだ。

 だから、

桃「……」

フリーレン「……っ」

 魔法少女による不意打ちを許してしまった。

シュタルク「フリーレン!」

シャミ子「……え、桃ぉ!?」

桃「シャミ子、何やってる! 早く逃げて!」

シャミ子「え、でも」

桃「早くしろ!!!」

 視界の端で魔族が逃げ出すのを認識しながら、フリーレンは自身の胸元に視線を落とす。

 少女の拳が鳩尾の半ばまでめり込んでいる。本来なら胴を貫通するほどの威力があっただろう。

 いまフリーレンが生きているのは攻撃されたポイントへ咄嗟に魔力を集中させたからだ。防御魔法を展開する余裕すらなかった。喉元を撫でていった死の気配に思わず息を呑む。

フリーレン(間合いがあと一歩近かったら死んでたな。まあそれは良いとして、問題が増えた)

 問題は3つ。確かに洗脳を解いたはずの少女が確かな殺意を抱いてこちらを攻撃してきたこと。

 この速度を持つ戦士にここまで接敵された場合、魔法使いは著しく不利になること。

 そして敵はこの一撃を防御されることまで織り込み済みであったらしいこと。

桃「ミカン。半径5メートル掃射。指示あるまで継続」

 小さな呟き。その意味は分からなかったが、魔力探知にあった反応でだいたいのところは知れた。探知圏内ぎりぎりで大規模な魔法の反応。敵の仲間による援護射撃。

 フリーレンは膝から崩れ落ちながら、己が受けたダメージを探る。致命傷というほどではないが、すぐには動けない。

フリーレン(不味いな。負傷のせいで次の魔法を撃つのに時間が……)



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