もしもシャミ子が葬送のフリーレンの世界に飛ばされたら
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130:1[sage saga]
2024/11/01(金) 21:41:31.75 ID:4JAHijIv0
 
◇モグサの村 アソリの家

アソリ「さて、母さんは畑へ行った……問題はどうやって薪割りをさぼるかだ。あんな作業ひとりでやってらんないよ。腕も腰も死ぬほど痛くなるし」

アソリ「とりあえず今日は家の掃除をしていたことにしてお茶を濁そう。虫干しでもするか。服って軽いし……んん? なんか父さんの服、縮んでない?」

 戸棚から引っ張り出した父の着衣は不自然に小さくなっていた。よく見れば、洗って縮んだのではない。きちんと丈を詰めた痕跡があった。

 おまけに何やら汚れの痕まである。鼻水、よだれ、その類いのものだ。

アソリ「つまり犯人は勝手に服を縫い直したあげく鼻水まみれにして洗濯もせずに放置したという訳か……そんな極悪な奴この世にいるの?」

アソリ「まあどうせ古着だからいいんだけど、サボるために棚を開けたら洗濯案件が出てきちゃったな……これが因果応報って奴か」
アソリ「だが私は応報に対しさらに応報しようっと。とりあえずこれは棚の奥に押し込んで……」

アソリ「……」


◇数時間後 アソリの家

アソリ母「ただいま。外で見てきたけど、偉いじゃない。きちんと薪割りしてくれたのね。しかもあんなにたくさん」

アソリ「ああ、おかえり……」

アソリ母「机に突っ伏しちゃって、どうしたの? えいえい」

アソリ「突っつかないでよ−、腕と腰がバキバキなんだから……」

アソリ母「ほんとありがとね。すぐにご飯にするから」

アソリ「ああ、大丈夫。スープなら作っておいたよ」

アソリ母「あなた娘に化けた魔族ね!? 娘を返して!」

アソリ「イダダダダ! 揺らすな揺らすな腕いてえ! なんだよ、お手伝いしたのにこの扱い!」

アソリ母「だっていつもなら何かと理由を付けて薪割りサボるでしょ。あとは外に遊びに行くか言い分け用の軽作業を一応やったふりしてるかのどっちか」

アソリ「そんな奴いんの? 見たこと無いなぁ」

アソリ母「はいはい。ともかく、急に良い子になったじゃない。逆に怖いわよ。誰かを殺して床下に埋めたりとかしてない?」

アソリ「娘に対する信頼度が低すぎる……」

アソリ母「それじゃなかったら、一体何で? 気まぐれなら気まぐれって言ってくれた方が安心できるんだけど」

アソリ「うーん……なんだろう。なんでそう思ったかも分からないんだけど……」

アソリ「――誰かに自慢できる自分になりたかったんだ。その誰かが、誰かは分からないんだけどさ」





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