映画の脚本を書いて、ひとりの女の子と出会った話。
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74:名無しNIPPER[saga]
2024/09/03(火) 23:40:51.42 ID:tvVwDFm30
そうしてしばらく話をしていると
そろそろ終電の時間になろうとしていた。
「そろそろ行きましょうか」と彼女は言った。
俺が頷いて立ち上がると、ヒツジはそっと俺の手を握った。
「急にどうしたんだよ」
「これが最後なので、生きている確認をしました」
「最後?」俺はわけも分からず聞き返した。
「ええ。実はうちの事務所、意外ときびしいんです」
ヒツジは、今日の飲み会も事務所に黙って来ていたんだよ。
俺はそんなことも知らずに、のうのうと今まで過ごしていたんだ。
その時は、憂いを帯びた彼女の表情を
じっと眺めていることしかできなかったな。
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