364: ◆b0/EDFEyC136[saga]
2024/11/02(土) 15:38:17.82 ID:lcqyPAtO0
『…………』
……ぼんやりと意識が残っている。眠っているような起きているような……気持ちのいい夢をずっと見ている、そんな感覚。
……パピヨンはもう眠ってしまっているのだろうか。背を向けて眠ってしまったせいで、様子を見ることが出来ない。
まあ、早く眠ってしまおう……そう思った、瞬間。
『…………ん』
ゴソゴソと、布団の中に誰かが入り込んでくる。今この状況で、布団に入ってくるのなんて……一人しかいない。
『……ぱぴ、よん?』
パピヨン「ひぁ。お、おにい、さん……」
びくっ。と自分の背中にくっついてきたパピヨンから可愛い声が聞こえてくる。自分が起きているとは思っていなかった……もしかしたら、自分が眠っていると判断したからこうやって布団の中に入り込んできたのかもしれない。
パピヨン「…………ちょ、ちょっと。さ、寂しくなっちゃって……ごめん、起こしちゃって」
『……良いよ。そんな謝らなくて』
背中からパピヨンの温もりを感じる。一つの布団の中でこうやって密着するなんて良くないことだが……今日くらいは、目を瞑ろう。
……ボソッと、パピヨンが口を開く。
パピヨン「…………ごめん、お兄さん」
『え―――ー』
瞬間、自分の体がぐるんと回転して仰向けに、そして……それに覆いかぶさるように、パピヨンが自分の上に跨った。
見えていた天井の景色にパピヨンが映りこむ。少しだけ開けた浴衣と、ほんのりと汗ばんだパピヨンの顔が。
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