【安価コンマ】オリウマ娘と共に Part2
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29: ◆b0/EDFEyC136[sage]
2024/08/12(月) 21:53:47.35 ID:92/7nx8r0
――脚が軽い。まるで、羽のように。

――体が思い通りに動く。まるで、自由に空を飛ぶ蝶のように。

パピヨン「――――っ!」

は、はは!観客の声が聞こえる――どう?誰にもマークされてないアタシが先頭を走ってるのはそんなにびっくりした?

――――行け――!逃げろ、逃げろパピヨン!行けっ!!!

パピヨン「――――!?」

ぷっ、はは、あはは!お兄さんの声が聞こえてきた――へぇ、あんなに叫ぶことあるんだお兄さんって――でも、うん、分かる。

心臓が痛い、息が苦しい。しかし脚は止まらない、逃げて逃げて逃げて、それでも止まらない。高鳴る心臓の鼓動と呼吸音、そして観客の声だけが聞こえてくる。

――――ねえ、お兄さん。アタシ実は全日本ジュニア優駿で負けた時、もう走るの止めようかなとか考えてたんだよ?いろんな人の期待も裏切って、無様な姿を見せて――でも、でもさ。

アタシの走りは今日この日のために、お兄さんとライバルの皆――それと物好きなファンに今までの期待を全部返すために。

アタシがアタシを認められるようになるために。



パピヨン「――――走るのって、サイコー……!」



アタシは2バ身差の一着でゴールした。


は、はは、あはは――!ああ、息苦しー……!


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