231: ◆b0/EDFEyC136[saga]
2024/10/05(土) 02:28:25.32 ID:vHOD/oG80
パピヨン「ぁ――ぁああぁあああぁあああああぁ……っっっ!!!」
――壊れたダムのように、パピヨンの目から涙があふれて零れる。パピヨンは抑えきれなくなってしまったように、胸の中に飛び込んできて……。
パピヨン「ばか、ばか、ばかぁ!お兄さんのバカ!勘違い、するじゃん!勘違いしちゃったじゃん!!!」
『……悪かった』
パピヨン「絶対に許さない、絶対に許さないから!もう一生、お兄さんは……アタシの我儘に付き合って、付き合ってもらうんだからぁ……!ぐす、うぁ、あああぁああぁぁ〜〜〜っっっ!!!」
『…………』
泣きじゃくる彼女の頭を、優しく撫でる。とてもよく手入れされた銀色の髪が、指の間を通り気持ちがいい。
パピヨン「もっと撫でてぇ!ぅぁ、ずびっ……うわぁあああああああぁん……!」
『…………なあ、パピヨン』
彼女に言われるがまま、頭を撫で続ける。
『キミは俺以外のトレーナーなんて考えられない、そう言っていたが……自分も同じだよ』
あの日、自覚した自分の本心。それがパピヨンと同じ想いだったことに――胸が高鳴り、嬉しくて嬉しくて堪らなかった。
『……俺だって、パピヨンのトレーナーが俺意外だなんて考えられない。キミのトレーナーの役割なんて、誰にも渡してやるもんか』
――――いつの間にか花火はもう止まっていて、だんだんと夏祭りの片づけが始まろうとしていた。
泣きじゃくっていたパピヨンはいつの間にか泣き止んでいて、そのまま一緒に今日のホテルへと戻っていった。
――お互いに手だけ繋いで、同じ歩幅で歩く。特に何も会話はなかったが……なんだかそれがお互いに、とても嬉しかった。
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