127: ◆b0/EDFEyC136[saga]
2024/09/06(金) 00:23:55.61 ID:AGd55id90
パピヨン「マンティ〜?起きてる〜?」
マンティ「あ、ぱ、パピヨンさん……!?お、おはようございますっ!」
パピヨン「ぷぷぷ、別にお昼だけどね〜?」
――ちょうどお昼ご飯を食べ終わって、これからどうしようか考えているときに彼女は何の連絡もなく私の病室にやってきました。何も変わらないその顔を見た瞬間、涙があふれてしまいそうになったのを、ぐっとこらえます。
ど、どうしましょう……!も、もし何か連絡をくれたら色々と準備をしたのに……!
パピヨン「んも〜そんなあたふたしないでよ。ちょっとドバイのお土産とか渡しに来ただけだから」
マンティ「は、はい。そ、そう、ですよね……ご、ごめ、ごめんなさい……」
パピヨン「だーかーらー!すぐに謝らないで!アタシとマンティの仲なんだから!」
マンティ「んむっ!?」
ほ、ほっへたをつかまないへ!つかまないへくらさい!んぅ……!
……私の頬っぺたをつかんだ手を離すと、パピヨンさんはまるでいたずらに成功したことが嬉しそうな感じに笑っていました。
そして……。
パピヨン「……ねえ、マンティ。アタシ――――やってきたよドバイで。誰よりも早く駆けて、誰よりも早くゴールして。世界中にアタシの姿を見せつけて――度肝を抜いてあげた」
マンティ「…………!」
パピヨン「そんなアタシは……マンティの期待に応えられるくらい強いウマ娘になれたかな。マンティの憧れを越えて、もっともっと最強の――シルヴァーパピヨンになれたかな」
私の目をまっすぐと見つめて、パピヨンさんは私に訊いてきます。ちょっと恥ずかしくて思わず目をそらしてしまいそうになるけど、私は……目を、そらしません。
――ドバイゴールデンシャヒーン。パピヨンさんは海を越えたその先で、見事一着に輝きました。何も変わらないその走りで……ずっとずっと私の憧れになっているあの模擬レースと同じ――――いえ。
あの時のパピヨンさんは間違いなく――私の憧れを越えていました。あの走りは、今走ることのできない私にとってまるで劇薬で……。
あんな走りを、見てしまったら……わ、私、私は……!もっと、もっと……っ!
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