34: ◆L6OaR8HKlk[sage saga]
2024/06/30(日) 00:09:18.79 ID:acICW3jd0
「おかえりなさいませ、ボス」
「退いて」
「失礼を」
初月の目線だと余計にデカく見える荒くれ者は、槍を収めて大きく退がる
刃物で奥へと進むように促され、ゆっくりと足を踏み入れた
教室ほどの広さがある室内。壁際には樽が並び、隅には干からびた死体が転がっている。成仏してクレメンス
初月「出来ればツレも一緒に連れて来て欲しいんだがね」
「心配しなくてもまとめて始末してあげるわよ」
初月「恐いねえ……」
漏れなく全員、背後を取られたらしい。そうだよな秘密の裏口を余所者が使ったら口封じするわな
誰も気配を感じなかったのは、ゲーム特有のスポーンからか。流石に無から突然現れちゃ気づきようもねえわ
瑞鶴「ごめん、迂闊だったわ」
「誰が口を開けと言ったァ!?」
瑞鶴「ッ!?」
(;T)「五十鈴!!」
ゴッと鈍い打撃音が響き、荒くれ者共がやんやと囃し立てる。五十鈴は不幸にも、とびきり手の早いクズに捕まっちまったらしい
「貴女」
初月「あ?」
「腕に覚えがありそうね?」
初月「確かめてみるか?ここにいる全員、瞬く間に皆殺しにしてみせるぜ」
始末するならとっとと殺ってるはずだ。裏口を見つけた余所者を生かしておく必要が無い
『慰み者』扱いするにしても、『余計な大男』まで生かしておく必要も同じく無い
それに、『魔法使いから杖を取り上げない』のは、致命的なミスだ。この世界の住人なら、プレイヤーである俺らよりも魔法に造詣が深いはず
後ろを取られようとも、振り返りもせず反撃に出れる。魔法はそれほどに、理不尽で利便性のある手段だ
「おーおー、大きく出るじゃねえかおチビちゃん!!」
「是非ともシゴいてもらいたいもんだなぁ!!えぇ!?」
囃し立てる荒くれ者共にそこまでの知性があるようには見えない。女を「ボス」と呼んだ槍男だけは、どこか緊張した面持ちで佇んでいる
槍男はアイコンタクトでボスと通じ合ったのか、荒くれ者に気付かれぬよう、小さく首を縦に振る
ボスはローブの襟を掴み、グイと引き寄せる。そして耳元で囁いた
「光源、最大出力」
ご要望とあらば
初月「ルーモスマキシマァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!」
薩摩が出た
86Res/106.30 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20