異説 ひのきの棒と50G
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59: ◆CItYBDS.l2[saga]
2024/04/17(水) 17:28:34.03 ID:aGyuAlWz0

 領主が、一体の魔物の亡骸に松明を近づける。
 狼の頭をもちながら、二本の後ろ足だけで歩いていた魔物だ。
 その大きな目を極限にまで見開き、口からは泡をあふれさせ、尋常ならざる形相で息絶えている。

 魔物たちの亡骸は、館に近づくほどその数を増やしていった。
 一方、街の戦士たちのそれは一向に見受けられない。
 では、魔物たちはいったい何と戦い死んだのだ。

 館にたどり着くと、その有様は道中と比べようもないほどに酷いものであった。
 食卓に並べられた絢爛豪華な料理に、魔物たちが突っ伏しその腹の中身をぶちまけている。
 血と強い酸の入り混じった匂いに、少年は思わずえづいた。



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