異説 ひのきの棒と50G
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57: ◆CItYBDS.l2[saga]
2024/04/17(水) 17:27:35.35 ID:aGyuAlWz0

 領主の言葉に、少年は病に倒れる妹の姿を想像した。
 そして、少年は自身の浅はかさを恥じた。反目する前に、その言葉の意味を熟慮するべきであったと。 
 
 領主は、口をつぐんだ少年を気にも留めず、落ちていた松明に火を灯した。
 その濁った瞳孔は、小高い丘の上に立つ領主の館に向いていた。

 傾斜のついた石畳を、二人は静かに登って行く。
 館が近づくにつれ、領主の足取りはますます重くなっていった。



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