異説 ひのきの棒と50G
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54: ◆CItYBDS.l2[saga]
2024/04/17(水) 17:25:52.36 ID:aGyuAlWz0

 大通りを静かに進む。
 気配こそ感じられないが、そこかしこに人間大の影の塊が横たわっている。
 漂う血の臭いに、それが何であるかは言うに及ばないであろう。
 願わくば、その幾分かでも魔物のものであったのならば。

 辿り着いた街の広場では、火がごうごうと燃え盛っていた。
 夜陰の中、唯一見えた灯に少年は胸を撫でおろした。

 だが、くべられているのものが薪ではないことに気付いた時、少年の心は大きく揺らいだ。
 肉の焼ける匂いの出どころは、この広場であった。



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