52: ◆CItYBDS.l2[saga]
2024/04/17(水) 17:24:21.49 ID:aGyuAlWz0
鉄の臭いに紛れ、どこからか肉の焼ける香りが漂ってきた。
在りし日の母の後ろ姿を少年は思い起こすが、そんな穏やかな朝を迎えられるはずもない。
ならば、焼けた肉の香りは―――いったいどこから。
少年は、すぐに体を起こすことはせず息を潜め周囲を伺った。
空は陰り月明かりもない、闇と静けさに包まれた街に魔物の息遣いは感じられない。
危険はなさそうだと、ゆっくり立ち上がる。
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