51: ◆CItYBDS.l2[saga]
2024/04/17(水) 17:23:49.56 ID:aGyuAlWz0
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少年にとって、これほどまで寝覚めの悪い朝は生まれてこのかた一度としてなかった。
硬く冷たい石畳を頬で感じ、鼻の奥を血の臭いがつんざく。
日の出前の静けさと、痛々しいまでの冷気が少年の鈍い意識を無理やりに目覚めさせた。
少年が、気を失っている間に戦は終わってしまったらしい。
頭を打ったか、あるいは疲労の果てに倒れたか。
少年の体に痛みはなかった、ならば後者なのであろう。
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