819: ◆OX0aJKbZO.0H[saga]
2024/07/06(土) 22:56:42.23 ID:kNx0CHnD0
マンティ「――――っ!」
パピヨン「ぁ……?」
『――――!』
その瞬間。マンティの顔が酷く歪み、二人の顔から――一気に血の気が引いた。
――ブラックマンティス来ない!スーッと後方に下がっていく!これは故障発生か!?
故障発生。その言葉がパピヨン頭の中で繰り返される。しかし中々意味が理解できない。理解が追い付かない。
故障。故障、故障――スパートの時に脚を挫いた?いやでも、あれくらいマンティなら別に――――え、こしょう?もう、レースが出来ないとか――マンティが。マンティが?
『――おいパピヨン、パピヨン!』
パピヨン「へっ!?ぁ、お、お兄さん――?」
『落ち着いて、今キミ顔が凄いことになってたぞ。まずは大きく鼻からゆっくり吸って、口から吐いて――』
アタマがまだ混乱してる、お兄さんに言われるがままに深呼吸をするけど、なんだか変わったのか変わらなかったのか、よく分からない。
――一着は見事に逃げ切りました6番!JBCスプリントを制し、栄冠を手に入れました!初のG1タイトル!
――しかし、心配なのはブラックマンティス。今救急車に運ばれていきました、何事も泣ければよいのですが――――。
パピヨン「――――」
テレビで逃げウマ娘が一番にゴールをした、実況が聴こえてくる。けど、そんなのは全然……どうでもよくて……。
――ぷるるるる。と鳴るスマホの音にも、気が付けないまま。JBCスプリントは幕を閉じた。
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