351: ◆OX0aJKbZO.0H[saga]
2024/03/30(土) 23:44:35.84 ID:L32qq5a00
――ダートを走る一人のウマ娘の声が聞こえる。
パピヨン「むっ……」
『あの子は……』
長く伸びたサイドの黒い髪がなびく。赤い耳のカバーが、まるで怪しい獣の瞳のように揺れ動き――そして一気にコースを駆けていく。
――見事な瞬発力。この馬場状態でもこの速さを引き出せるとは、凄いパワーの持ち主だと。【貴方】はその走りを見て思う。
パピヨン「――お兄さん、おーにーいーさーん−!」
『へっ?あ、ああ。どうした、パピヨン』
パピヨン「……なに、そんなにあの子の走りが良いの?ふーん……」
『……ああ、良いトモをしてる。もしかしたら、パピヨンのトレーニングに活かせるかもしれない』
その時、ふと閃いた!なんて言うつもりじゃないが、不良馬場でも走るその姿、もしパピヨンもあのように走れたら――。
『ん、あれ。パピヨン?』
パピヨン「ねーちょっとそこの!うん、そこの走ってる黒い子!ちょっといいー?あ、勝手にそっち行くから!」
「うぇっ!?ふぇ、あ、その――!?」
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