273: ◆OX0aJKbZO.0H[saga]
2024/03/23(土) 22:02:17.51 ID:B6DtBSgr0
パピヨン「あ、そろそろ時間。それじゃ――」
『ああ、ちょっと待ってパピヨン』
――楽しく走っておいで。キミが思うとおりに、走りたいように走れば、きっと大丈夫だから。
パピヨン「……うわ、なにそれ。アタシが楽しく走ってないって言うの?お兄さん」
『いや、そういうつもりじゃないが……その、ちょっと緊張してるんじゃないかって思ったから』
走りたいから走る。パピヨンが走りたいように走る。だから【貴方】はそれに魅了されたし、担当のトレーナーになった。
彼女の走りへの想い、その根っこ。それを忘れて走るというのは……良くないことだと思う。
『忘れないでほしいんだ、そういう気持ち。確かに緊張もするだろうけど、走るときは……キミには楽しんで欲しい』
パピヨン「はいはい、緊張とか意味わかんないけど、お兄さん」
アタシはアタシらしく、いつも通り走るだけ。沢山練習もしたし、努力もしたけど……最後はやっぱりそこだよね。
パピヨン「そして、ステラライムにリベンジ……しちゃうから。それじゃ〜ね、お兄さん?」
『ああ、行ってこい!』
――そして、彼女は行ってしまった。
どの様な結果になるかは分からない、が――きっと彼女なら。シルヴァーパピヨンなら。
……観客席に向かおう。そして見届けよう。
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