98:名無しNIPPER[saga]
2024/03/12(火) 11:52:50.92 ID:BiH9c5auO
練乳、生クリーム、カスタードのみを包んで焼き上げたという【甘味の権化クレープ】を食べ終えると同時に目的地に到着した。
胃もたれしそうな破滅的甘さだが悪くはなかった。カロリーはどれくらいなのだろうか。想像しただけで腹回りが大きくなった気がする。
【ラスティ商会コンスティア支部】とだけ書かれた質素な看板とは裏腹に豪華絢爛な外観が目を引く。
しかし売り子のような人は見受けられない。商品が陳列されているわけでもなければ、カタログが置いてもいない。
これは一体全体どういうことだとステラは首を傾げる。もしや騙されたというのか。そんな悪意は感じられなかったのだが。
疑問に思ったステラはダメ元で突撃を敢行することにした。断られた時はその時どうすればいいか考えればいいだけである。
「すみませんお客様。こちらでは商品を販売しておりませんのでお引き取りを」
アポイントメントを取ろうと受付に物申しに行くもバッサリと切り捨てられる。取り付く島もない態度に思わず苦笑した。
しかし本当にここでは物品販売はしていないのか。ステラは落胆しながらここはラスティ商会とやらの事務所なのかもしれないと考える。
商会が経営している店舗は把握しているはずだ。何かしらの情報は欲しいと質問する。
「とは言われましても…。コンスティアでの我々の業務は問屋に近いのです。他国から商品を仕入れ、それをコンスティア内の各店に卸しているんですよ。業務提携しているなら毎月カタログを郵送しているのですが、そちらはお持ちではありませんか?」
七三分けにメガネ、キッチリとした身だしなみのスーツマンとお堅い印象を受ける男性の問いに首を振って答える。
持っている物と言えば商人から渡されたメモだけだ。
メモを男性に見せると、視線が若干揺れ動いた。
「…失礼。そちらのメモを一度預かってもよろしいですか?」
どうぞお構いなく。ステラは男性の要求を快諾し、メモを渡す。ポケットに突っ込んだ時に少しぐしゃぐしゃになったが別にいいだろう。
綺麗なお辞儀をした男性が階段を登っていく。
数分後、見知った顔が二階から降りてきた。
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