剣聖が鍛冶屋を営むようです
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68:名無しNIPPER[saga]
2024/03/03(日) 15:34:26.88 ID:uUDM2m0WO
世界から光が消え失せたと錯覚してしまうような暗闇の中。灰に覆われた廃墟に、一人の人間が立っていた。
人間の顔には痛ましい傷痕が刻まれており、その上から再度火を浴びせられたような生々しい火傷が主張している。
上半身にも同様の傷がある。常人ならとっくに死に至っている重傷だ。致命傷と呼ぶべきだろう。

そんな焼死体同然の風貌を晒している人間の手には、血と肉が焦げた上で刀身にこびり付いた一本の直剣が握られている。
もう限界が近いのかところどころ刃毀れしており、刀身には細かいヒビが入っている。

ふらふらとよろめく人間の視線は、暗闇の先へと向けられている。その様子からは想像できぬほどに強く、冷めた視線が。
暗闇から聴こえてくるのは生物の吐息と液体が滴る音だけ。
人間はゆっくりとその方向へ足を進める。どこまでも冷たい表情で。一歩ずつ。確実に。

人間が足を止め、見上げた先には。純白の鱗を赫で染め上げた、雄大な龍が横たわっていた。
凛々しき羽は根元から両断され、或いは歪にへし折られていた。二度と翔ぶことは叶わないだろう。もう未来など無いのだが。
龍は全身傷だらけの血みどろ状態。目を覆わんばかりのスプラッタな惨状。人間が人間なら龍も龍だった。お互いに瀕死状態である。

潰された片眼から滴る血が。全身から垂れ流される血が。大地を赫く染め上げる。
その中に倒れている無数の下僕の亡骸を一瞥した後に首をこちらへ向け口を開く。


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