小牧嬉歌「間違ってたらアレなんだけど……何回目、なの?」
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◆ty.IaxZULXr/
[saga]
2023/12/05(火) 20:36:08.46 ID:loDylRht0
35 #2
手鞠沢高校 アカペラ部室
ウタ「……」
レイレイ「はじめてのアカペラの感想はどう?」
本当ははじめてじゃないけれど。とても心地の良いアカペラだった。まるで、手をつないでいるような。
アイリ「ね、ウタちゃん。アカペラっていうのは、歌と歌で手をつなぐってこと。わかったでしょ?」
そっか、これは部長の受け売りだったんだ。
ウタ「はい。その、あの」
アイリ「なに?」
ウタ「アカペラって、すごく気持ちいいです!!」
いきなり来た見ず知らずの1年生を優しく迎え入れてくれる。
それが本心からだと感じさせてくれる、優しく支えるようなアカペラ。
こんな風に入部できたんだ。
アイリ「ふふ……」
ムスブ「そりゃよかった」
ウタ「ムスブちゃん、すっごく気を使って歌ってくれてるの分かったよ」
ムスブ「はっ、まぁね。アンタも初めてにしては良かったわ」
しまった、気分よくなっていつも通り歌っちゃった。
ウタ「えっと、レイレイ先輩も私に合わせてくれて、安心感がすごかったです!」
レイレイ「ありがとう。ウタちゃんも綺麗で素敵な声だった」
ウタ「それに、部長」
アイリ「私?褒めてくれるの〜?」
ウタ「部長はすごいです。透明で天使みたいな声で、優しく迎え入れてくれて」
レイレイ「うんうん。ウタは本質をわかってるね」
ウタ「ひとりじゃないって、感じました」
こんなにも優しく迎え入れてくれて。
ウタ「すぐそばに歌声がいてくれて。ときには支えてくれて、叱ってくれて、導いてくれて、一緒にいてくれ……て」
ムスブ「……?」
ウタ「……何も、知らないのに」
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