デジタルモンスター研究報告会 season2 後編
1- 20
149: ◆VLsOpQtFCs[saga]
2023/09/16(土) 11:51:51.46 ID:Q+AQoDOUO
「…あの戦いは、キャンドモンとシャーマモンを片付けて終わり、というものじゃなかった。最後にプラチナスカモンが潜んでいたのを覚えてる?」

ああ、うん。いたね。
何もせず帰っていったけど。

「…そこが重要なんだ」

え?プラチナスカモンが?どうして…

「ファンビーモンは、プラチナスカモンを一度攻撃した後…その場から飛び去ったんだ。プラチナスカモンを見て『食えそうにない』と思ったからだ。ファンビーモンにとって、餌にならない相手は威嚇対象ではあっても攻撃続行の対象じゃないんだ」

そ、そうなんだ。

「ここまでまだ分からないの?ケン…!ボスマッシュモンも肉体を構成できておらず、ファンビーモンも戦わない。本拠地が完全に無防備な状況で、プラチナスカモンを自由にさせていたんだ!もし、プラチナスカモンがキャンドモンみたいに火を吐くデジモンだったら、今頃ぼくらの拠点はどうなっていたと思う?」

…コマンドラモンやパルモン達を入れたランドンシーフと共に、私やリーダーがヘリで帰還するまでの間に…
システムを破壊されていた、か。

「…AAAがプラチナスカモンを帰らせたのは、どんな理由があったかは知らないけど…『敗北を認めて撤退した』からじゃない。『チェックメイトを指し終えたから』だと…僕は思う」

…チェックメイト。王手詰めか。
だけどチェックメイトを指し終えても、破壊活動をせずに彼らはそのまま帰ったのが事実でしょ。
戦力が足りなかったから帰ったんじゃないの?

「あちらの残存戦力がどれくらいいるか分からないけど…『キャンドモン達の親デジモン』がいるのは間違いない。やろうと思えば、それを引っ張ってくることはできたはずだ」

じゃあ、なぜそうしなかった?

「僕はあの時、もしも本当に詰んだら、せめてプラチナスカモンやキャンドモンの親などの戦力を監禁して道連れにするために、ネットワーク回線を切断してサーバーをスタンドアローンにするつもりだった。クラッカーからすれば、我々はそのリスクを負うまでもない相手だったから、撤退した…それだけの話だよ」

クラッカーはどんなデジモンでも道具扱いし使い捨てる奴かと思ってたけど、そうでもないのか。

「AAA自身は、貴重で価値ある道具を無駄にしないタイプらしい。もしAAAが、例のクレカ会社を襲った向こう見ずのバカみたいな奴だったら…どうなっていただろうか」

…。

「…これはあくまで、戦いを振り返った僕の解釈だ。ケンやカリアゲ達の解釈は違うかもしれない。それを踏まえた上で今尚、盤面を俯瞰して…胸を張って勝ったといえる?」

…生き延びるチャンスを得たことそれ自体は、敗北じゃないと思うけども…。

「現状認識が甘いんじゃない?ケン」


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
1002Res/503.75 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice