128:名無しNIPPER[saga]
2023/09/14(木) 20:18:58.45 ID:eVdrJoq9o
「偽装作戦です。これから私達はとある高校の生徒と教師に扮し、社会科見学を装って内部に入ります。その後は案内に従いつつ、不動くんの杖の様子をうかがいながらおおよその場所を探し当てていきます」
「なるほど。その後はどうするんですか?」
「見当をつけたら、魔法を使って案内の目から逃れて杖を探します。ただし、魔法の効果時間やその他諸々も考慮すると、そこからは時間との勝負になります。素早く杖を見つけて何事もなく基地から立ち去ることができれば上出来です」
「質問があるんですけど、組織の人が居る可能性はあるんですか?」
椎名の疑問に高木は神妙な顔をして答える。
「何とも言えません。もしかすると彼らが何らかの目的のために持ち込んだのかもしれませんし、あるいは単に取引の結果かもしれません。何にせよ警戒だけは怠らないでください」
高木の言葉を受けて二人はしっかりと頷く。
「どうやら着いたみたいですね。それじゃあ基地に行く前にこちらに着替えてください」
そう言って高木が取り出したのは制服だった。
「着替えのスペースはあちらに用意してあります」
言われるがままに制服に着替えた二人は高木のもとへと合流する。彼はカラスと何かを話し合っていた。
「あれは?」
不動は横にいる椎名に尋ねる。
「使い魔だね。魔法を行使する際の補助をしてもらったり、雑用をこなしてもらったり、色々してくれるよ」
「…へえ。人によって違う…みたいだな」
「うん。私はうさぎの使い魔だよ」
「特に制限とかはないのか?」
「ないよ。よく魔女と黒猫とかがセットで想像されるけど、実際にはどんな生き物も魔力を持ってるからね」
そんな話をしている間に、捜査員達は自分たちの使い魔を学生の姿に変化させていた。
「凄いですね…」
目を見張りながら不動が呟く。使い魔達は姿形だけを見れば、どこからどう見てもただの学生だ。
「とはいえ、簡単な会話くらいしかできないのでサポートは必須ですけどね。では準備も整いましたので中に入りましょう」
そうして不動たちは高木の先導に従って自衛隊基地の入口まで移動した。守衛に要件を伝えてしばらくすると、今日の応接係と思われる隊員が出てきた。
「本日はよくお越しくださいました」
「こちらこそ貴重な見学の機会を頂くことができて感謝しております。ではまずは予定通り、簡単な講義からですかね?」
「はい。ではこちらへどうぞ。それと本日はこちらの一時立ち入り許可証をご携帯ください」
その後不動達は自衛隊の仕事や役割等の簡単な講義を受けたあと、基地内の見学を行うことになった。
「それでは施設内の見学を始めます。これからまわるのは兵舎、食堂、運動場、射撃演習場です。今日は折角なので皆さんの興味のある場所から回りましょう。どこか行きたいところはありますか?」
その言葉を受けて高木が不動に耳打ちする。
「調べたい場所はありますか?」
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調べたい場所をどうぞ
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