【悲報】夢魔の集落に男一人で流れ着いてしまった【たすけて】【安価スレ】
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4:名無しNIPPER[saga]
2023/07/03(月) 14:30:44.49 ID:jO1AKp7NO
『…すまない、ゼノ。貴様は祖国のために尽くしてくれたというのに』

『愛国心、なんざ、欠片も、無いがな。ただ、俺は…』

人のためになれりゃそれで良かったと言い切る前に、青年は崩壊する吊り橋から振り落とされる。
辛くも崖まで退避した騎士団長は敬礼をしながら何かを言っていた。
もう何も聞こえないし、どんな表情をしているのかも、見えなかった。

『…ひっ…!』

逃げ遅れたのか、弓兵が二人、青年と同じように墜落する。
その顔は恐怖と涙でぐちゃぐちゃになっていた。

あと少しで墜落死する運命が決まっている上に、つい先程まで殺そうとしていた相手に見られているのだ。その恐怖も無理はないだろう。

その姿を視認した青年は、途絶えかけている意識を保ち、半ば反射的に風魔法を詠唱した。

『ひぇああぁぁあぁぁ!?!!』

『ぶべぇぇぇえぇー!!!?』

凄まじいまでの上昇気流に攫われ、弓兵たちは崖上へと吹き飛ばされる。
騎士団長が受け止めたのを確認し、青年は笑った。

『俺を、生贄、にして、作る、平和なら。ちゃんと、続けて、くれよ』

臓腑から吐き出した言葉と共に見た、嵐の空。それが、最後に見た景色だった。


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