【悲報】夢魔の集落に男一人で流れ着いてしまった【たすけて】【安価スレ】
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5:名無しNIPPER[saga]
2023/07/03(月) 14:31:16.12 ID:jO1AKp7NO
大雨が硝子を打ち据え、雷鳴が鳴り響く大嵐。雷雨の音が奏でるオーケストラの中で。

『………』

ロスヘイム王国の王宮には、お通夜ムードが漂っていた。

『…やっぱり殺したの?殺しちゃったの?ゼノ君』

『…はい。胴体に剣を二本刺して全身を弓矢でぶち抜き、トドメに奈落へ突き落としました。あれで死んでなかったら化け物です』

『そっかあ…やっちゃったかあ…』

盛大な溜め息を吐き、玉座の男性はがっくりと項垂れる。

『もし生きてたら儂たち皆殺しにされるよね。寧ろされて然るべきだよね』

『されても文句は言えませぬ。あれだけ国に尽くしたのにこの仕打ちとか、主人公を痛め付けるのが目的の小説や劇でさえここまでしないでしょうな』

『そりゃそうだ。…しかし、どうする?ゼノ君が死んだことをひた隠しにはできないし、するべきじゃないからどっかのタイミングで公表しなきゃならないわけなんだけど。流石に反逆の罪で粛清しましたー!なんて頭のおかしい発表をしたら翌日から革命パーティー連日開催確定だし』

『…我々の都合で殺したのです。彼を貶めるような行為は慎しむべきかと』

『それは何があっても絶対にしないが?…常識的に考えれば、今までの功績を讃えて式典とかをするべきだよね。いっそ英霊として祀るか』

『それは良い判断です。彼の死を無駄にはできませぬからな。…して、彼の保有していた財産等はいかがなさいますか』

『そんなのゼノ君が懇意にしてた孤児院に寄付するしかないでしょ。もし拒否られたら良い感じに使おう。医療費だとかインフラ整備だとか使える場所は沢山あるし…』

こんな会話をしている二人の表情は、とても暗かった。
後悔するくらいならしなけりゃ良かったのに。
と、この場にいる誰もがそう思っていたという。


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