【悲報】夢魔の集落に男一人で流れ着いてしまった【たすけて】【安価スレ】
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29:名無しNIPPER[saga]
2023/07/10(月) 00:22:52.85 ID:Ryg/bZLAO
案ずるより産むが易し、とも言う。ここであれこれ考えているよりも、何か喋っておけば勝手に口が回ってくれるものだ。
実際、それで国王に頼まれたスピーチもどうにかなったのだから。自分を信じろ。きっとなんとかなる。
決意を固めた青年の行動に迷いと躊躇いはなかった。

「吹き荒れる雷雨の中で危険を顧みず救いの手を差し伸べてくれたことに、謝辞を述べさせていただく。私はゼノ。かのロスヘイム王国に籍を置かせていただいている一介の冒険者だ。見ての通り、今の私には何も残っていないが、この安い命に換えても、恩に報いるつもりだ。任せたい雑用や汚れ仕事等があれば、忌憚なく申し付けてくれて構わない」

淀むことなくきっぱりと言い放った青年は、威風堂々とした佇まいを崩さず魔族の出方を伺う。
これで精気を吸い尽くすために縛ろうとしてくるのなら、その時は全員ボッコボコにして逃走させてもらうのだが。
救ってもらった手前実力行使に出るのは気が引けるがせっかく拾った命だ。無為に散らすわけにはいかない。
と人知れず大乱闘の覚悟を決めていると、一人の女の子が手を挙げた。

「お兄ちゃんを川から引っ張り出したのは私だよー!すっごく重くて大変だったんだからね!!!」

ぴこぴこと揺れる狐耳が彼女が妖狐族の一種『妲己』であることを示している。
妖狐族特有の化粧がされており、艶やかな唇からは子供とは思えない色気を出しているのだが、悲しいかな。
溢れ出る子供っぽさで全て台無しである。もうちょいお淑やかになったら見る目は変わったのかもしれないが。


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