王子『はちじょうひとまのワンルーム?』
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43:名無しNIPPER
2023/06/11(日) 01:35:23.02 ID:sZTlet6c0
 王女『えーっと、なになに? はじめに、この本を読んでいる君に告ぐ』
 王子『……声に出して読むな』
 王女『この研究は人間と魔族両方の歴史を鑑みても存在しない、前例がない魔法へのアプローチである』
 王子『……静かに』
 王女『そのため、未知の領域が多い。非常に危険なものだと理解してほしい』
以下略 AAS



44:名無しNIPPER
2023/06/11(日) 01:35:50.37 ID:sZTlet6c0
 2時間後――
 王女『…………』
 王子(王女のやつ、静かになったな)
 王女『…………』
 王子(もしかして眠ってる? いや、寝息は聞こえないか)
以下略 AAS



45:名無しNIPPER
2023/06/11(日) 01:36:18.50 ID:sZTlet6c0
 王子『は? お前なにを言ってんの。そんな難しい本、理解なんて出来るわけねーだろ』
 王女『ううん、出来た』ブンブン
 王子『……出来た、って。僕も――いや、大人だってその本を理解できた人いないんだぞ。嘘も大概にしとけ』
 王女『出来たもん!』エッヘン



46:名無しNIPPER
2023/06/11(日) 01:36:45.66 ID:sZTlet6c0
 自慢気に薄い胸をそる王女。
 彼女が生まれてから10年間、家族として一緒に過ごしてきた。だから、王女が嘘をついていないことはその目を見て分かった。分かってしまった。

 王子『……なんだよ、それ』

以下略 AAS



47:名無しNIPPER
2023/06/11(日) 01:37:17.84 ID:sZTlet6c0
 王女『どう? 凄いでしょ?』ジマンゲー

 屈託なく笑う妹に、腹の奥底からわっと怒りが湧いた。

 王子『……お前は嘘つきだ』
以下略 AAS



48:名無しNIPPER
2023/06/11(日) 01:37:51.28 ID:sZTlet6c0
 王女『嘘なんてついてないよっ』
 王子『嘘だ! お前は嘘つきだ!』
 王女『ついてない!』
 王子『いや、ついてる! 理解なんて出来るはずない!』
 王女『……なんで』
以下略 AAS



49:名無しNIPPER
2023/06/11(日) 01:44:35.38 ID:sZTlet6c0
 王子『――っつ』
 王女『ひぐ……うぅ……』
 王子『わ、悪か――』
 王女『うわああああああん!』

以下略 AAS



50:名無しNIPPER
2023/06/11(日) 01:45:05.47 ID:sZTlet6c0
 王子(……やってしまった)
 王子(3歳下の妹に、大人気なくなに言ってんだ。僕)
 王子(才能ないくせに、魔族としても小さいな)
 王子(……ああ、もう!)

以下略 AAS



51:名無しNIPPER
2023/06/11(日) 01:45:31.19 ID:sZTlet6c0
 王子『……えっ?』

 王子が異変に気づいたときには、もう遅かった。
 王女の感情の奔流が、魔法を暴走させていたのだった。強大すぎる精神エネルギーに、ありとあらゆるマギカに反応し、直前に理解した魔法を無意識に発生。

以下略 AAS



52:名無しNIPPER
2023/06/11(日) 01:46:28.94 ID:sZTlet6c0
 それは小さな歪みで、吸い込まれる力こそなかったが、泣きわめく王女のすぐそばで生まれていた。

 王子『――あぶねえ!』ドンッ

 王子は王女を押しのけ、身代わりになるかたちで歪みに吸い込まれる。
以下略 AAS



53:名無しNIPPER
2023/06/11(日) 01:46:55.32 ID:sZTlet6c0
 王子『……良かった。お前が無事で――』

 悪かった、という言葉を言う直前に歪みが閉じた。
 王子は、意識を、失った。



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