25:名無しNIPPER
2023/06/08(木) 23:38:07.73 ID:dr7q0Gdl0
魔王『ありがとう。さて、王女』
王女『なにー?』
魔王『巨人族の英雄にはやってもらうことがたくさんある。だから、ひとりで王子を探してくれるか?』
王女『えー。こんなに広いのに1人じゃ探しきれないよ〜』
魔王『大丈夫だ。そのための魔法を教えよう。特別だぞ』
26:名無しNIPPER
2023/06/08(木) 23:38:45.22 ID:dr7q0Gdl0
魔王は床に手を当て、両目をつむる。
魔王『――隠れる者を嗅ぎ出せ。探知魔法サーチ』
王女『』ジー
魔王『という風に、この魔法を使えば自分を中心に半径20〜30メートルぐらいの人の位置を把握できる』
27:名無しNIPPER
2023/06/08(木) 23:39:28.23 ID:dr7q0Gdl0
巨人『はははぁぁっ。王女様を見てるとぉ、幼い頃の魔王様をぉ、思い出しますねぇぇ』
魔王『……そうか?』
巨人『はいぃ。魔法に対する天才的なまでの才はぁ、魔王様ゆずりでしょうぅぅ』
魔王『褒め過ぎだ』
巨人『いいえぇ。人様の魔法を見てぇ、すぐにそれを使えるようになる者などぉ、まずおりませぬぅぅ』
28:名無しNIPPER
2023/06/08(木) 23:39:55.58 ID:dr7q0Gdl0
魔王『一度見た魔法をすぐに使えるようになるなんて芸当、普通は出来やしない。私でも無理だ』
巨人『普通はぁ、学校で何日も学んでぇ、やっと使えるようになるものですからねぇぇ』
魔王『我が娘ながら末恐ろしいよ』
巨人『血は争えませんねぇ』ニコニコ
魔王『そうかもしれないな。けれど、だからこそ――』
29:名無しNIPPER
2023/06/08(木) 23:40:42.32 ID:dr7q0Gdl0
王女は階段を駆け上がり、魔王城の中心部――玉座のある謁見の間に入ると、ふーっと息を吐き出した。
きらびやかな絨毯が敷かれた床に両手を当て、両目をつむる。
王女『――隠れる者を嗅ぎ出せ』
30:名無しNIPPER
2023/06/08(木) 23:41:15.34 ID:dr7q0Gdl0
王女(城内にいるのはひぃ、ふぅ、みぃ、よぉ――)
王女(うーん。多すぎて数えきれないや。でも、みんな忙しく動き回っているし、給仕さんか兵士さんかな?)
王女(お兄ちゃんならきっと、見つからないようにどっかでジッとしてるはず)
王女(どこにいるだろー、っと!?)
王女(魔王の一族にだけ伝わる秘密の小部屋に人影あり!)
31:名無しNIPPER
2023/06/08(木) 23:41:43.47 ID:dr7q0Gdl0
今日はここまでです
32:名無しNIPPER
2023/06/08(木) 23:44:39.33 ID:dr7q0Gdl0
>>18
ありがとうございます!
遅筆のため遅いとは思いますが、ゆっくり書いていけたらなと思います。
33:名無しNIPPER
2023/06/11(日) 01:28:42.61 ID:sZTlet6c0
魔王城、秘密の小部屋。
戦時の際に魔王の一族が身を潜めるために作られたその部屋には、丁寧に床に積まれた本の数々とそのうちの一冊を読む王子の姿があった。
王子『――よって、魔法の優劣を決めるのは、使い手自身の精神エネルギーの大小だけではない』
王子『呪文の出来によっても魔法の質は少なからず変わると結論づけられる。考察終わり』パタン
王子『……なるほどなぁ』ンー
34:名無しNIPPER
2023/06/11(日) 01:29:10.17 ID:sZTlet6c0
王子『まっ、それもそうか。僕みたいな凡才が思いつくことは、この人みたいな天才にとって些細なものだろうし』
王子『……はぁー。天才の頭を覗いてみたいよ』
王子『そうしたら、きっと、今より魔法が上手くなれるんだろうなあ』
王子『…………』ハァー
王子『……よしっ。次はどの考察を読もうか――』
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