ソロモン・グランディに憧れて
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123: ◆CItYBDS.l2[saga]
2023/07/02(日) 00:10:32.82 ID:0geUM6AN0

 神様の手を掴むと、僕の体はふわりと浮き上がった。妻に抱えられていたツボを飛び出し、火葬場の天井を抜け高い空へとぐんぐん昇っていく。今日は雲一つない快晴だ。僕が生まれ育った土地が、隅々まで見渡せる。東に臨む太平洋は薄暗く影を落とし、西の山地に沈む夕日が街を赤く染めている。人生の最期に相応しい美しさだ。

 僕は、自ずからソロモン・グランディを口ずさんでいた。


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