3:名無しNIPPER[sage saga]
2023/04/18(火) 23:47:01.09 ID:zwpVo191O
「それを言われちゃなんも言えねーな」
「……せいぜい感謝しなさいよ」
あっさり納得した彼に不満の視線を送ると。
「んな顔すんなって。マジで感謝してるよ」
「どうだか」
「だってお前、初めてだったんだろ?」
「え?」
初めて。そう初めてだった。気づいてたの?
「まあ、人工呼吸なんて普通に暮らしてればそうそうする機会なんてないだろうからな」
「そ、そうね。人工呼吸は初めてだったわ」
人工呼吸。ただの医療行為。私の初めての。
「私がいなかったら、あなたは死んでた」
「ああ……だからマジで感謝してるって」
「呼吸が止まってたから人工呼吸したのよ」
「わかってるって」
「本当にわかってる? 工藤くん。あなたもう少しで死ぬところだったのよ? 私のために。私なんかを助けるために、あなたは……!」
「灰原」
どうしても納得出来ない私に彼はこう諭す。
「オレはお前のおかげで命拾いした。身体は縮んだまんまだけど蘭ともまた生きて会えた。お前が今後、解毒薬を作って元の身体に戻れる可能性があるのも素直に嬉しい。生きてて良かったと心から思ってる。だけどよ」
工藤新一。今は江戸川コナンを名乗る探偵。
「そう思えるのは、灰原も助かったからだ」
「私も……?」
「ああ。オレが助かってもオメーが死んでちゃ意味ないだろ? だからこれでいーんだよ」
その結論は論理的だろうか。少し甘すぎる。
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