2:名無しNIPPER[sage saga]
2023/04/18(火) 23:45:43.63 ID:zwpVo191O
「どうしてあそこまで必死になったの?」
「なんだよ、薮から棒に」
海洋巨大施設、パシフィック・ブイ。
その名の通り海に浮かぶ巨大なブイのようなその施設は先日魚雷攻撃を受けて沈んだ。
「あなたの行動原理が知りたいのよ」
「行動原理、ねぇ」
世界中の監視カメラの映像が集まり、そして解析されるパシフィック・ブイに攻撃をしかけたのは私の古巣、組織が保有する潜水艦によるもので今は施設もろとも深海に沈んだ。
「なあ、灰原」
「なに?」
「たとえばオレやお前が飲んだ毒薬の解毒薬を作れるのが開発者であるお前しかいないからって言ったら、それで納得すんのか?」
私は罪を犯した。大勢の見ず知らずの人々の命を脅かす、大きな罪だ。その代償としては私の身体は縮み、そして彼は巻き込まれた。
「たしかに私はAPTX4869の開発者として解毒薬を作るに当たっては必要な知識を持っているわね。だからあなたは私を助けたの?」
「それなら逆に聞くけどよ」
罪を認めて懺悔すると彼はつまらなそうに。
「オメーこそどうしてオレを助けたんだ?」
「それは……」
私が彼を助けた理由と彼が話を助けた理由は果たしてイコールなのだろうか。そんなわけはない。無論ノットイコール。だから私は。
「……あなたが死んだら彼女が哀しむから」
まるで用意されていたかのような言い訳だ。
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