81: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2023/01/15(日) 12:19:37.32 ID:E7iRZ/bz0
試しに一つ食べてみるけど──
歩夢「……うん、やっぱり、あんまり味がしない気がする」
栞子「わ、私も食べてみます……」
そう言いながら、ベビーカステラを口に運んだ栞子ちゃんは、
栞子「…………確かに、味がしません……」
そう言って顔を顰める。
歩夢「ふふ、でしょ?」
栞子「じゃあ……本当にポケモンのためだけに作られたおやつなんですね……」
「ピィ♪」
栞子ちゃんはおいしそうにベビーカステラを食べるピィを見ながら言う。
歩夢「栞子ちゃん?」
栞子「……人は……こんなにもポケモンのことを、大切にしているんですね……」
歩夢「そうだね……。人もポケモンも、この地方で……一緒に生きる仲間同士だもん」
栞子「一緒に生きる……仲間……」
栞子ちゃんは私の言葉を反芻するように言う。
栞子「…………」
歩夢「人とポケモンがこうして仲良くしてるの……意外だった?」
栞子「…………はい……。……本音を言うと……そう思っています」
歩夢「……そっか」
栞子「私……ずっと、イメージでしか、外の人を見ていなかったのかもしれません……」
栞子ちゃんは、生まれてからほとんどの時間を朧月の洞で過ごしていた。
だから、自分の中にあったイメージと現実のギャップで混乱しているのかもしれない。
……でも、だからこそかな……。
歩夢「栞子ちゃん」
栞子「……なんでしょうか」
歩夢「今は大変なことになっちゃってるけど……きっと、良い機会なんだと思う」
栞子「良い機会……」
歩夢「栞子ちゃんの目で……この地方でみんながどう暮らしてるか、確認してみたらどうかな」
知らない世界をちゃんと知るのはきっといいことだと思うから。
栞子「……はい」
栞子ちゃんは私の言葉に頷く。
栞子「自分の目で……しっかり、確認しないと……。この地方の……人と……ポケモンを……」
まるで自分に言い聞かせるように、そう言葉にするのでした。
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