5: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2023/01/11(水) 14:13:13.60 ID:mgX0GYuD0
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少しずつ高度を上げながら、頂上を目指す途中、
リナ『そういえばせつ菜さん。あの事件の後3ヶ月くらいは、ずっとローズに居たんだよね?』 || ╹ᇫ╹ ||
リナちゃんが思い出したかのように訊ねる。
せつ菜「はい! ペナルティで社会奉仕活動をしていたので! 毎日ゴミ拾いをして、ポケモンバトル施設で子供たちにポケモンバトルを教えたり……あと、ローズジムに代理で入った梨子さんのお手伝いと……とにかくいろいろしていました!」
侑「その後は、いつもどおり地方を巡って修行してたの?」
せつ菜「はい! お陰でポケモンたちもまた一回り強くなりましたよ!」
侑「じゃあ……! 強くなったポケモンたちと一緒に、チャンピオンの座を懸けて、またポケモンリーグに行くんだよね! そのときは呼んで!! 絶対に応援に行くから!!」
せつ菜ちゃんと千歌さんの戦いがまた見れると思ったら、それだけでときめいてきてしまう。
どんな予定があっても、応援に行きたい気持ちだったけど──
せつ菜「あ、え、えっと……はい! ありがとうございます!」
せつ菜ちゃんは少し歯切れが悪そうだった。
歩夢「せつ菜ちゃん?」
侑「どうかしたの……?」
せつ菜「あ、えっと、その……。……実は、今の私が千歌さんと戦っていいのか……少し迷っていまして……」
侑「え!? な、なんで!?」
せつ菜「私は……自分が図鑑所有者に選ばれなかったことが悔しくて、それをバネに頑張ってきたつもりでした……。……ですが、今の私は最初のポケモンもポケモン図鑑も持っています……」
侑「それは……そうかもしれないけど……」
せつ菜「前にも話しましたが……この地方の歴代チャンピオンは皆、ポケモン図鑑所有者です。……私はその歴史を塗り替えるつもりで戦っていましたが……こうして図鑑を頂いて……逆に目的を見失ってしまったと言いますか……」
侑「せつ菜ちゃん……」
せつ菜「もちろん、千歌さんと戦うのが嫌なわけではありません。ですが、こんな気持ちのままチャンピオンの座を懸けて戦うのは、どうなのかなと……」
侑「…………そっか」
せつ菜ちゃんはせつ菜ちゃんなりに……自分がどうありたいのかを考えている途中なのかもしれない。
せつ菜「あはは、すみません……応援してくださっているのに、なんか変な感じになっちゃいましたね……」
侑「う、うぅん! 私も変なこと言っちゃってごめんね……! でも、どんな形であっても私はせつ菜ちゃんのこと応援してるから!!」
歩夢「私もせつ菜ちゃんがせつ菜ちゃんのペースで、なりたい自分を目指せれば、きっとそれが一番いいことだと思うよ♪」
せつ菜「侑さん……歩夢さん……。……ありがとうございます!」
そんな話をしながら私たちは、間もなく──音ノ木の頂上へとたどり着こうとしていた。
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