侑「ポケットモンスター虹ヶ咲!」 Part3
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193: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2023/01/19(木) 11:20:41.85 ID:aJfxqeWu0

ミア「ご、ごめん……。……ボク、キミのこと……ただの機械だなんて……」

リナ『大丈夫、気にしてないよ。それより、ハンバーガーたくさんあるから、好きなだけ食べて』 || ╹ ◡ ╹ ||

ミア「うん……ありがとう」


ミアちゃんは頷くと、ハンバーガー3つほどをペロりと平らげてしまった。

よほどお腹が空いていたのかもしれない。


リナ『お腹いっぱいになった?』 || ╹ ◡ ╹ ||

ミア「うん……。さっきは……ごめん」

リナ『うぅん。そういうときもある。……ミアちゃん、改めて……どうしてそこまで自分の能力を証明したがるのか、聞いてもいい?』 || ╹ᇫ╹ ||

ミア「……。……ボクはテイラーの家に生まれたのに……戦えないんだ。家族はみんな……ポケモンバトルで素晴らしい成績を残しているのに……ボクだけは、何も残せていない……」

リナ『ポケモンバトルが嫌いなの……?』 || ╹ᇫ╹ ||

ミア「嫌いじゃないさ。……むしろ、小さい頃は……大好きだった。毎日ポケモンバトルの観戦をして、自分だったらこう戦う、ああしたいっていろんなことを考えて……」

リナ『じゃあ、どうして……』 || ╹ _ ╹ ||

ミア「……ある日、テイラー家みんなで一緒にエキジビションを行う機会があったんだ。それが初めての公式戦……ボクのポケモントレーナーとしてのデビュー戦だった。ワクワクしたよ。……でも、ボクはわかってなかったんだ……。テイラーの名が……世間からどれだけ期待されていたのかを……」

リナ『…………』 || ╹ _ ╹ ||

ミア「スタジアム一杯に観客が居て……何千という目が……新たなトレーナーの誕生を待ち望んでいた……。ただ、バトルをするのが好きで、楽しむことしか考えていなかった自分が……それに応えられるのか……。そう思ったら……足が竦んで……バトルフィールドに出て行くことが出来なかった」


──それはまさに、鞠莉博士から聞いた話だった。


ミア「バトルの出来ないテイラー家の娘に……価値なんてない。だから、せめて……自分に出来ることで居場所を作ろうとしたんだ」

リナ『だから……ブリーダーに……』 || ╹ _ ╹ ||

ミア「でも……結果は、ランジュに満足の行く戦いをさせてやれなかった。ランジュを利用してまで、ようやく手が届くと思っていたのに……」

リナ『でも、ミアちゃんの育てたポケモンは本当によく育てられてて。それは嘘偽りない事実』 || ╹ᇫ╹ ||

ミア「……ありがとう。……だけど、トレーナーに気持ちよくバトルをさせてあげられないなら……やっぱり、それじゃダメなんだ」

リナ『ミアちゃん……』 || ╹ _ ╹ ||

ミア「このままじゃ……ボクは何もない……空っぽなんだ……」

リナ『……でも、ミアちゃんはここにいるよ』 || ╹ᇫ╹ ||

ミア「え……?」

リナ『身体があって、声があって、目で、耳で、人やポケモンと触れ合える。言葉で繋がりあえる』 || ╹ᇫ╹ ||


それはもう……リナちゃんには出来ないことだからこそ、強い意味を持った言葉だった。


リナ『私……ミアちゃんが自分のポケモンと一緒に戦う姿、見てみたいな』 || ╹ ◡ ╹ ||

ミア「え……」

リナ『私ね、旅を通して、いろんな人がポケモンと一緒に戦う姿を見てきた。いろんな人がいたけど──みんな、違った。いろんなトレーナーが、いろんな向き合い方で、ポケモンと一緒にいろんな戦いを見せてくれた。最初は侑さんのサポートのために旅に出たけど……今は私も、トレーナーとポケモンが心を通わせて戦う姿を見るのが楽しみの一つなんだ。この人はどんな戦いを見せてくれるんだろうって、ワクワクするんだ』 || ╹ ◡ ╹ ||

侑「リナちゃん……」

ミア「……でも、ダメだよ……。……テイラー家の娘が……そんな、ただしたいからってだけでバトルなんて……」

リナ『私は……ミア・テイラーじゃなくて、ミアちゃんのバトルしてる姿が見たいな』 || ╹ 𝅎 ╹ ||

ミア「……」

リナ『テイラー家がどんなものなのか、私は知らない。だけど、バトルが好きなら、その気持ちをなかったことにしなくていいと思う』 || ╹ 𝅎 ╹ ||

ミア「……でも」

リナ『もし……ミアちゃんがまたトレーナーとして戦うのが怖いなら──私も一緒に今日ここでポケモントレーナーになる』 || ╹ 𝅎 ╹ ||

ミア「……え」



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