187: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2023/01/19(木) 11:15:41.81 ID:aJfxqeWu0
鞠莉「確か、当主は過去にいくつかの地方のリーグ大会で優勝経験をしている人だったと思うわ。奥様は、バトルの腕もさることながら、ポケモンミュージカルの女優としても有名ね。あと、長女は今でもトップクラスのトレーナーとして、世界中のリーグで活躍していたはずよ」
侑「本当にバトル一家なんだ……」
リナ『家族はみんなトレーナー……なのに、なんでミアちゃんだけブリーダーなんだろう……?』 || ╹ _ ╹ ||
鞠莉「本人が公の場で、その理由に言及したことはないけど……。ただ、何年か前に話題にはなったのよね」
侑「話題……ですか……?」
鞠莉「バトル一家の末っ子であるミア・テイラーの公式デビュー戦で……彼女は不戦敗だったのよ」
侑「不戦敗……? どういうことですか……?」
鞠莉「時間になっても、バトルフィールドに現れなかったのよ。それ以降、彼女の名前がバトルの世界で挙がったことはないみたい」
バトルの場に現れなかった……?
侑「どうして、そんなことが……」
鞠莉「本当の理由はわからないけど……。……テイラーの名前が重かったんじゃないかとは言われてるわね」
リナ『重かった……』 || ╹ᇫ╹ ||
鞠莉「彼女が初めての公式戦に臨んだのは、8歳のとき。ご両親はもちろん、すでにそのときにはお姉さんもバトルで名を上げていて……全世界が、これからバトルの世界にやってくる超新星に期待をしていたそうよ」
侑「でも、結局ミアちゃんは……現れなかった……」
鞠莉「……そして、数年後にブリーダーとして名を上げ始めた。わたしが知ってるのはこれくらいかしら……。参考になった?」
リナ『うん、ありがとう、博士』 || ╹ ◡ ╹ ||
鞠莉「それなら、よかったわ」
🎹 🎹 🎹
──研究所を後にして……。
リナ『ねぇ、侑さん』 || ╹ᇫ╹ ||
侑「なに?」
「ブイ?」
リナ『もう一つ……お願い、していい?』 || ╹ᇫ╹ ||
侑「いいよ。なにかな?」
リナ『……私と一緒に、ミアちゃんを探して欲しい』 || ╹ᇫ╹ ||
リナちゃんはそんなお願い事を口にする。
リナ『私……ミアちゃんの気持ち、わかる気がするんだ……』 || ╹ᇫ╹ ||
侑「ミアちゃんの……気持ち?」
リナ『私も……お父さんとお母さんの研究を完成させなきゃって……すごくプレッシャーに感じてたことがあるから……。ミアちゃんも、そういうプレッシャーに苦しんでるんじゃないかなって……』 || ╹ᇫ╹ ||
侑「…………そう、かもしれないね……」
確かにリナちゃんの言うとおり、ミアちゃんはすごく焦っていた。
まだ何も証明出来ていないと……。
もしかしたら……トレーナーになれなかった分を、ブリーダーとして取り戻そうとしているのかもしれない。
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