164: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2023/01/18(水) 20:54:08.54 ID:1Gm0czzm0
もちろん、かすみんもいじわるしたくてこんなことを言ってるわけじゃない。
かすみ「……わかった。しず子がそう言うなら、かすみんも全力でしお子のこと応援する」
しずく「♪」
かすみんの言葉を聞いて、しず子はニッコリと笑うのだった。
🎙 🎙 🎙
善子「それにしても意外だったわ」
研究のお手伝いで、飼育されているポケモンたちに餌をあげていると、博士は私に向かって急にそんなことを言う。
せつ菜「意外? なんのことですか?」
善子「菜々は、勝負には拘るタイプだと思ったから」
せつ菜「……ああ、その話ですか」
善子「即決で栞子が戦うことに賛成したから、ちょっと意外だった」
せつ菜「……そうですね。前の私だったら……きっと難色を示していたと思います」
前の私だったら……確実に勝てる人選を優先したと思う。
私は勝つことでしか自分を証明出来ないと思い込んでいたし……例え草試合でも、とにかく勝つことを意識していた。
せつ菜「ただ……あのとき、千歌さんと全力でぶつかりあって……気付いたんです。本当に大事なことは、勝ち負けだけじゃないのかなって……」
もちろん、勝負である以上、勝利出来るに越したことはない。
だけど……じゃあ、勝てればなんでもいいというわけじゃない。
せつ菜「その戦いに……どう臨んだかとか、それで何を得られるのかとか……。そういうことの方が大事なのかなって……。……栞子さんとランジュさんは幼馴染だと言っていました。きっと、二人がちゃんとぶつかり合うことには、意味があると思うんです」
善子「……なるほどね」
ヨハネ博士はうんうんと頷きながら、私の頭をポンポンと撫でる。
善子「成長したわね。菜々」
せつ菜「えへへ……ヨハネ博士に褒められると、嬉しいです」
善子「これで、菜々が自分の試合で勝ってれば、もっとかっこよかったんだけどね」
せつ菜「え、あ、いや……それは、その……」
善子「ふふ、冗談よ」
せつ菜「い、いじわるなこと言わないでください……」
善子「ふふ、ごめんなさい」
ヨハネ博士はクスクスと笑う。
善子「ただ……栞子が負けたときはどうするの? 五番勝負はレックウザの捕獲の権利を賭けてるんでしょ?」
せつ菜「そのときはそのときです! また何か別の解決策を考えます! だから今は、栞子さんが全力で戦えるよう、応援するのみです!」
善子「……ふふ、愚問だったわね。じゃあ、全力で栞子のこと、サポートしなくちゃね」
せつ菜「はい! お任せください!」
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