161: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2023/01/18(水) 20:50:30.30 ID:1Gm0czzm0
歩夢「侑ちゃん……?」
侑「えっとね……ルカリオの波導が逆に流れ込んで来ちゃって、オーバーヒートしちゃった……って言うのかな……」
歩夢「オーバー……ヒート……」
歩夢は私の言葉に少し難しそうな顔をしていたけど、
歩夢「……そっか……あれは……オーバーヒート……」
自分の中の朧気な記憶と、私の説明を照らし合わせて、納得出来たのか、最終的に呟きながら小さく頷いていた。
そして、
歩夢「……それじゃ……私……負けちゃったんだね……」
そう言いながら、シュンとする。
侑「違うよ」
歩夢「え?」
侑「試合は……歩夢の勝ちだよ」
歩夢「え……」
歩夢は驚いたように目を見開く。
歩夢「ホント……?」
侑「うん。夢中だったから覚えてないかもしれないけど……歩夢がランジュちゃんのポケモンを倒しきって、副将戦は歩夢が勝ったんだよ」
歩夢「そ、そっか……」
歩夢は身に覚えのない勝利に戸惑っている様子だったけど、
侑「歩夢……ありがとう」
私がお礼を言いながら、歩夢をぎゅっと抱きしめると、
歩夢「侑ちゃん……は、恥ずかしいよ……。……でも、みんなの役に立てたなら……嬉しい……えへへ……」
そう言ってはにかむのだった。
しばらく、ぎゅーっとしていると──くぅぅぅ〜……と可愛らしい音が聞こえてくる。
歩夢「……///」
歩夢のお腹の音だった。
侑「そういえば……昨日から何も食べてないんだもんね。朝ごはんにしよっか」
歩夢「うん……///」
歩夢の手を引いて、部屋から出ようとしたそのとき──コンコン。控えめにドアがノックされる。
そして、ドアの向こうから、
栞子『……侑さん、今大丈夫でしょうか……?』
栞子ちゃんの声が聞こえてきた。
歩夢「栞子ちゃん……?」
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