160: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2023/01/18(水) 20:49:46.96 ID:1Gm0czzm0
■ChapterΔ008 『最終戦』 【SIDE Yu】
──近くで人の気配がする。
侑「…………ん……ぅ…………」
ゆっくりと目を開けると──
歩夢「……あ……ごめんね、起こしちゃった……?」
侑「……歩夢……」
歩夢が、ずり落ちそうになっていた毛布を、私に掛けようとしているところだった。
侑「………………歩夢……っ!?」
歩夢「きゃっ!?」
私は今しがた寝ていたソファから跳ね起き、歩夢の両肩に手を置く。
侑「歩夢、平気なの……!? 痛いところとかない……!?」
歩夢「うん、大丈夫だよ」
歩夢はそう言いながら、いつもの笑顔でニコっと笑う。
私が騒がしかったのか──
「…ブイ…?」
ソファで一緒に寝ていたイーブイも目を覚まし、
「…ブイ!!!」
歩夢が起きているのを見ると、イーブイは歩夢に向かって飛び付いた。
歩夢「ふふ、イーブイ、おはよう♪」
「ブイ♪」
侑「ホントに元気そうで、安心した……」
今の様子を見る限り、本当にいつもどおりの歩夢だ。心配そうに歩夢の枕元で見守っていたサスケも、今はいつもどおり歩夢の首に掛かりながら、眠っている。
ただ、歩夢はイーブイを撫でながら、少し不安そうな顔になって、
歩夢「えっと……その……私、気付いたらここで寝てたんだけど……ランジュちゃんとのバトルはどうなったの……?」
そう訊ねてくる。
侑「もしかして、覚えてないの……?」
歩夢「ランジュちゃんとバトルしてたら……ルカリオが出てきて、その子がメガシンカして……。……そこくらいから、記憶が曖昧で……」
侑「…………」
やっぱり、栞子ちゃんの言うとおり、あの状態は歩夢に強い負荷を掛けていたのかもしれない……。
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