155: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2023/01/17(火) 12:23:16.82 ID:8ywSMszf0
リナさんのチェックでも、問題はないと言っていたけど……ある程度、医学の心得のあるヨハネ博士に言ってもらえると、安心感が増す。
善子「なんなら……中に入って顔でも見てきたら?」
せつ菜「いえ……今は侑さんと二人にしてあげた方がいいかなと思って……」
善子「ん……そっか」
きっと一番心配しているのは侑さんでしょうし……。
あまり部屋の前でうるさくしてもいけないので、ヨハネ博士と一緒に1階へと向かう。
せつ菜「あの……ヨハネ博士」
善子「なに?」
せつ菜「歩夢さんの力というのは……一体なんなんでしょうか……?」
彼女がポケモンに対して特別な力を持っていることは、なんとなく知っていたけど……今日改めて、その力のすごさを目の当たりにしてしまったというか……。
善子「……何と一言で言うのは少し難しいけど……。……私は超共感性やシナスタジアの一種だとは思ってる」
せつ菜「シナスタジア……共感覚でしたっけ」
善子「ええ。歩夢には、ポケモンが発する鳴き声やエネルギーを、別の感覚に変換して見たり、聞いたりすることが出来るんだと思うわ」
せつ菜「本当に……そんなことが出来るものなんですか?」
善子「実際のところは本人にしかわからないけど……。ただ、歴史上にポケモンと意思疎通を図ることが出来た人間は数多く存在してる。それこそ、栞子のような人とポケモンとの仲介役を担う巫女は、そういう力を有してると言われてる」
せつ菜「……なるほど」
だから、栞子さんは歩夢さんの身に起こっていることに、いち早く気付いたのかもしれない。
ヨハネ博士と話しながら1階へ降りてくると──
かすみ「あ、せつ菜先輩……! ヨハ子博士……! 歩夢先輩は……!」
かすみさんがパタパタと駆けよってくる。
せつ菜「今は疲れて眠っているだけだそうですよ」
かすみ「ほ……よかったですぅ……」
安心するかすみさんの後ろで、しずくさんが──『気を失った歩夢さんを見たときは、肝が冷えました……』と筆談で伝えてくる。
しずくさんは喉の調子が戻りつつあるようですが、今は極力喉を休めるために筆談で会話をしているそうです。
リナ『しずくちゃんもリナちゃんボードを使ってるみたいだね』 || > ◡ < ||
──『じゃあ、しずちゃんボードだね♪』
なんておどけている辺り、しずくさんの方は順調に回復しているようだ。
とりあえず……。
せつ菜「これで2勝2敗……しずくさんと歩夢さんが、私たちの負けを取り返してくれました」
かすみ「はい……! あとは侑先輩が勝つだけです!」
282Res/605.79 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20