154: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2023/01/17(火) 12:22:04.74 ID:8ywSMszf0
絞り出すようにそう言い、踵を返して、太陽の花畑から去っていったのだった……。
🎹 🎹 🎹
──ツシマ研究所。その一室。
侑「……歩夢……」
「ブイ…」
歩夢「…………」
「シャボ…」
もうすっかり日も落ちて……。
薄暗い部屋の中でベッドに横になっている歩夢は……静かに胸が上下しているので、眠っているだけなのはわかるけど……。
善子「……ひととおり診たけど……身体に異常はない。今はたぶん疲れて眠ってるだけだから、明日になったら目を覚ますと思うわ」
侑「…………」
善子「心配なのはわかるから、やめろとは言わないけど……ほどほどにね。侑が倒れたら、一番悲しむのは歩夢なんだから」
侑「はい……」
ヨハネ博士はそう残して部屋を出て行く。
歩夢「…………」
侑「歩夢……」
何気なく、歩夢の手を握ると──無意識だろうけど、弱い力で握り返してくる。
侑「歩夢のお陰で2勝2敗だよ。ありがとう」
歩夢「…………ゅ、ぅ…………ちゃ…………」
侑「…………歩夢?」
歩夢「…………すぅ…………すぅ…………」
侑「……うん。……今はゆっくり、休んでね……」
私は眠る歩夢の髪を、優しく撫でつけるのだった……。
🎙 🎙 🎙
せつ菜「──あ、ヨハネ博士……!」
善子「菜々……」
私は歩夢さんが休んでいる部屋から出てきた博士に声を掛ける。
せつ菜「あの……歩夢さんは……」
善子「今は疲れて眠ってるだけよ。すぐよくなるわ」
せつ菜「よかった……」
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