140: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2023/01/17(火) 12:07:38.46 ID:8ywSMszf0
■ChapterΔ007 『合戦の花畑』 【SIDE Ayumu】
──ポケモンバトルというものが、別段嫌いなわけではなかった。
ただ、どうしても画面の向こうで起こっている事というか……自分がその場に立つというのをなかなか想像出来なかった。
侑ちゃんと旅をして、失敗して、挫折して、諦めそうになって……。でも、大切な人たちを守るためには……蹲って、怖がって泣いているだけじゃダメだって、そんな当たり前のことに気付いて──私は戦うことを選んだ。
ただ……そうは言っても、私は必要に駆られないのであれば、可能な限り戦わない方がいいと思っている。
だから、あの旅にひと段落付いた後は、実は一度もポケモンバトルらしいバトルをした覚えがなかった。
もちろん、野生のポケモンと戦うことくらいはあったけど……。
だから、今回の私たちのチームでの五番勝負も、出来ることなら私の番が回ってくる前に終わって欲しい──無意識の内に、そんな甘いことを考えていたと思う。
ただ……しずくちゃんの戦っている姿を見て、考えが変わった。
あんなにボロボロになるまで戦ってくれたしずくちゃんを見て、私は出来れば戦いたくないなんて……思えるわけない。
歩夢「しずくちゃんの繋いでくれたバトンを──私が侑ちゃんに繋ぐんだ……」
私はそう独り言ちながら──太陽の花畑へ向かう。
🎀 🎀 🎀
──グレイブマウンテンでの戦いを終え、ツシマ研究所で一晩過ごした私たちはその翌日、太陽の花畑へと訪れていた。
栞子ちゃんの持っている“もえぎいろのたま”は当然のように、大輪華・サンフラワーの方へ反応を示し……そこには既に、
ランジュ「……来たわね」
ランジュちゃんたちが待っていた。
ランジュ「……次にランジュの相手をするのは……どっち?」
ランジュちゃんが私と侑ちゃんを順に見る。
なんだか……ランジュちゃんはすごくピリピリしていた。
しずくちゃんに負けたのは本当に予想外だったみたいだから……ある意味、当然なのかもしれない。
歩夢「私だよ」
ランジュ「……歩夢、貴方ね」
私は一人、前に歩み出て、ランジュちゃんと相対する。
栞子「歩夢さん……! 頑張ってください……!」
せつ菜「歩夢さん、ファイトです!!」
侑「歩夢……! お願いね!」
リナ『歩夢さん、ファイトー!!』 || > ◡ < ||
みんなの応援を受けながら、
歩夢「うん、任せて!」
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