125: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2023/01/16(月) 17:50:23.36 ID:xLULnzaZ0
“もうどく”のダメージの蓄積によって、インテレオンが崩れ落ちる。
しずく「……っ……。……戻って、インテレオン」
「インテ…──」
インテレオンをボールに戻し──最後のポケモンのボールに手を掛ける。
手を掛けたところで──自分の手が、震えていることに気付いた。
しずく「…………っ」
ランジュ「さあ、早く最後のポケモンを出しなさい。……まあ、降参してもいいけど。もう、ほぼ詰みみたいな状態だし」
──降参。ランジュさんの口からそんな言葉が出てくる。
しずく「……しません」
ランジュ「じゃあ、早く出して」
しずく「……サーナイトッ!!!」
「──サナ…!!!」
“もうどく”状態のメガサーナイトがボールから飛び出す。
しずく「サーナイト!! “サイコショック”!!」
「サナ…!!!」
「ラッキ…!!!」
“サイコショック”によって、有効的なダメージは与えられるけど──
ランジュ「“タマゴうみ”」
「ラッキー♪」
しずく「……くっ……」
ランジュ「もう無理よ。ラッキーの回復は十分追い付いてる」
そう──多少は削れているかもしれないけど……ラッキーの体力を削り切る前に……サーナイトが“もうどく”で倒れる。
ランジュ「それとも──4.17%に賭ける?」
──4.17%
これは……一般的に、ポケモンの技が偶然急所を捉える確率と言われている。
確かに今、急所に当たりさえすれば……倒しきることが出来る。
でも……それを今狙うというには、あまりに絶望的な確率。
世の中には、狙って相手の急所を捉えることが出来る特別なトレーナーがいるらしいが……私にはそんな芸当は出来ない。
もしここに立っているのが歩夢さんだったら、それが出来たのかもしれない。
侑さんだったら多彩な技で潜り抜け打開をし、かすみさんだったら奇抜な発想で逆転をし、せつ菜さんだったらそもそも相手の思うように防御戦術を展開すらさせていなかったかもしれない。
でも──今の私には、ランジュさんの戦法を崩す術が……ない。
しずく「…………っ」
唇を噛む。
「サナ…ッ!!!」
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