12: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2023/01/11(水) 14:18:13.74 ID:mgX0GYuD0
「…キリュリリュリシイィィィィィィ」
程なくすると、高度を上げながら背を向けて、北の方へと飛び去って行った。
ミア「……あれ、ホントにわかってんの?」
ランジュ「大丈夫よ。栞子の言っていたとおりなら、レックウザは人の言葉を理解する知能はあるはずだし……少しでも早く力を取り戻したいレックウザにとっては、悪い話じゃないはずだからね」
恐らく飛んでいった先は、自分の力を取り戻しながら、休息の出来る場所だろう。
そして、ランジュの手元にある宝珠はレックウザのエネルギーに当てられたのか──何かに反応するように、光を脈打たせていた。
ミア「……それが、龍脈ってやつに反応してるの?」
ランジュ「ええ。そんなに大急ぎでやる必要はないけど、のんびりもしてられないわ。行くわよ、ミア」
ミア「命令しないでくれないかな……。ボクは自分の目的のために力を貸してるだけだよ」
ランジュ「大丈夫よ。すぐに証明してあげるわ──ランジュがミアの育てたポケモンを使って……最強のトレーナーになってあげる」
🎹 🎹 🎹
ひとまず……私たちは地上に降りてきた。
侑「歩夢……」
せつ菜「リナさん、歩夢さんは本当に今この地方に居ないんでしょうか……?」
リナ『少なくとも……私の観測上ではそうとしか言えない……。図鑑が故障したって可能性ももちろんあるけど……歩夢さんが消えた瞬間に図鑑の反応も消えたから、壊れたよりかは私がサーチできる範囲の外に行っちゃったって考えた方がいいと思う』 || 𝅝• _ • ||
侑「とにかく……探さなきゃ……」
私は歩き出す。
せつ菜「侑さん、落ち着いてください……」
リナ『心配なのはわかるけど……どこにいるのか見当もつかないまま探しても……』 || 𝅝• _ • ||
侑「そうだけど……じっとなんかしてられないよ……」
せつ菜「侑さん、歩夢さんもあの戦いを乗り越えたトレーナーの一人なんです。これくらいのことでどうにかなったりしません」
侑「せつ菜ちゃん……」
せつ菜「それに……侑さんが一番歩夢さんのことを信じてあげないといけませんよ。大切な幼馴染なんでしょう?」
侑「…………」
せつ菜ちゃんの言葉を聞いて、私は一度大きく息を吸って……深く吐く。
焦った頭に酸素が取り込まれて、少しだけ気分が落ち着いてくる。
侑「……ごめん、せつ菜ちゃんの言うとおりだ……私が歩夢のこと信じてあげないでどうするんだ……」
せつ菜「もちろん心配するなとは言いません。ですが、心配しすぎて焦ってはいけませんから」
侑「……うん」
とりあえず……今は落ち着いて、歩夢がどこに行っちゃったのかを考えないと……。
それを考え始めようとしたまさにそのとき、
「──さっきの子は、朧月の洞って場所に飛ばされただけだよ」
282Res/605.79 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20