13: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2023/01/11(水) 14:19:06.58 ID:mgX0GYuD0
音ノ木の方から、そんな声が聞こえてきた。
侑「え?」
その声のする方へ振り返ると──そこには赤いメッシュの入った黒髪ロングの女性が、音ノ木の根本に立っていた。
侑「あなたは……?」
薫子「ああ、アタシは薫子って言うんだけどさ」
リナ『その服……もしかして、リーグの職員?』 || ╹ᇫ╹ ||
せつ菜「あ……確かに、リーグ職員の方はそういう制服でしたね」
確かに言われてみれば彼女が着ている服は、どこかの組織の規定服のようなデザインをしていた。
かなり着崩しているせいで、言われないとわからないけど……。
薫子「うん、そうだよ。アタシはリーグの職員。実はここの監視を担当してるんだよね」
せつ菜「監視……? 音ノ木のということですか……?」
薫子「まあ、そんな感じ」
侑「あの……それで、さっき言ってた朧月の洞って言うのは……?」
薫子「あー……なんていうか、説明が難しいんだけどね。世界の狭間にある結界の中……みたいな場所かな」
侑「歩夢は……そこに居るんですか?」
薫子「うん、そうだよ」
リナ『どうして貴方はそんなこと知ってるの?』 || ╹ᇫ╹ ||
薫子「ちょっと事情があってね……妹がそこに住んでるんだよ。栞子って言うんだけどさ」
なんだか、よくわからないけど……。
侑「とりあえず……歩夢は無事……ってことでいいんですか……?」
薫子「うん、恐らく無事だよ。少なくとも地面に激突してるってことはない」
侑「そうなんだ……なら、よかった……」
歩夢はひとまず無事と考えていいと聞いて、少しだけ安心する。
もちろん、実際に顔を見ないと完全に安心することは出来ないけど……。
薫子「あーところでさ、君たちって、この間のDiverDiva事件を解決したトレーナーたちだよね?」
侑「え……どうしてそのことを……?」
薫子「こんな身なりでもリーグ職員だからね。一応、いろいろ知ってるんだよ。……んでさ、そんな君たちの実力を見込んでちょっとお願いしたいことがあるんだけど……」
せつ菜「お願い……ですか……?」
──リーグ職員の人が、私たちに何をお願いするんだろう……と思ったけど、
薫子「……君たちにはレックウザを止めて……妹の──栞子を救ってやって欲しいんだ」
薫子さんが口にしたのは──そんな内容だった。
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