115: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2023/01/16(月) 17:41:56.53 ID:xLULnzaZ0
そう残して──しずくちゃんは、行ってしまった。
かすみ「しず子……やっぱり、緊張してるのかな」
せつ菜「……そうですね。ランジュさんが強敵だと言うことは、しずくさんも理解しているでしょうし……負けられないというプレッシャーもありますから……」
かすみ「……かすみんたちが勝ってれば……」
せつ菜「……今更言っても仕方ありません。今はしずくさんを信じましょう」
かすみ「はい……」
💧 💧 💧
しずく「…………」
目を瞑って──ゆっくりと呼吸する。
雪山の冷たい空気が肺に入ってきて痛いくらいだけど……お陰で頭も一緒に冷やされて冷静になれる気がした。
しずく「…………大丈夫」
自分に言い聞かせるように言葉にする。
しずく「私が……かすみさんの分まで……頑張るんだ」
プレッシャーはある。
私は積極的にバトル──特に試合形式のものはしてこなかった故に、不安もある。
だけど……私も、ここまで旅をしてきた、図鑑所有者の一人なんだ。
しずく「……大丈夫……」
もう一度自分に言い聞かせながら目を瞑る。
でも──ドックン、ドックンと、心の臓が音を立てていた。
しずく「……大丈夫……」
もう一度、自分に言い聞かせるように言った──そのとき、
歩夢「──……大丈夫だよ」
せつ菜「──しずくさんなら、大丈夫です」
いつの間にか私の隣に居た歩夢さんとせつ菜さんが、私の手を握りながら言う。
しずく「歩夢さん……せつ菜さん……」
目を開けると──二人が優しく私の手を握りながら、私を真っすぐ見つめていた。
せつ菜「前にも言いましたが……しずくさんは、自分のステージを作り出せれば、ランジュさんにも劣らない実力を持っています。自信を持ってください!」
しずく「せつ菜さん……」
せつ菜「自分で言うのもあれかもしれませんが……しずくさんは、私に一杯食わせたんですよ? あのときの力を出せば、きっと勝てますから!」
しずく「……はい」
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