侑「ポケットモンスター虹ヶ咲!」 Part2
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94: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/12/19(月) 12:08:50.34 ID:c3b0uZJF0

曜「善子ちゃん、座ろう……?」

善子「……」


隣に座っていた曜さんが、倒れた椅子を直しながら、ヨハネ博士をゆっくりと座らせる。


海未「……何か、いろいろと私の知らない事情があるようですね……。……とりあえず真姫、説明をしてもらえますか? あのテロがせつ菜を唆すためのものだったと言っていましたが……」

真姫「……果林たちは、なんらかの方法でせつ菜の正体が菜々であることを掴んで……あの子と父親が同じ場に居合わせるような場を仕組んだ……。菜々がポケモンを使って戦う姿を目の当たりにしたら……あの子の父親は菜々からポケモンを取り上げようとする……。……そうしたら、菜々は……どうにか説得をしようとするはずよ」

海未「……説得というと……」

真姫「……あの子、父親と話をしたあと……チャンピオンになるって飛び出して行ったから……。……父親とそういう約束をしたんだと思う……」

ダイヤ「……確かに……ローズでテロがあった日の夜、ウテナにせつ菜さんが来られました。……千歌さんを探していましたわ」

真姫「その次の日に……千歌から、せつ菜とのバトルを急用で中断することになったと聞かされたわ……。恐らく果林は……その直後に、あの子に接触して……唆した」

穂乃果「……! そっか、あのときの不自然なウルトラビーストの誤報は……!」

彼方「せつ菜ちゃんと千歌ちゃんが戦う機会を設けてから……千歌ちゃんが、無理やり戦闘を中断しなくちゃいけない状況を作るため……。フソウとダリアに愛ちゃんがそれぞれウルトラビーストを放ってたか……それか、まだ他に協力者がいるのかはわからないけど……」

真姫「それも全部……せつ菜を唆して、千歌とぶつけるため……」

海未「……確かに、彼女は今最も千歌に迫る実力を持っているトレーナーと言っても過言ではない……。もし、千歌を無力化させるなら、彼女をぶつけるのが最も効率がいい……」

彼方「それに……せつ菜ちゃんはウルトラビーストを使ってた……。果林ちゃんが、千歌ちゃんを倒させるために、渡したんだと思う……」

海未「少しずつ……全体像が見え始めましたね……。……彼方の言うとおりならば、彼女らの目的はこの世界を滅ぼすこと……なのかもしれませんが、具体的に何をするつもりなのかがわからないと対策の打ちようがない……」


海未さんはまた腕を組んで唸り始める。

確かに具体的に何をしようとしているのかが、よくわからないのは確かだ……。

そこで、私はふと──果林さんたちが戦っている最中に言っていたことを思い出す。


侑「……あの」

海未「侑? どうかしましたか?」

侑「……果林さん、歩夢が自分たちのこれからの計画に必要だって……そう言ってました。もしかしたら……歩夢を利用して、何かをしようとしてるんじゃないかなって……」

海未「歩夢……? 連れ去られた、ウエハラ・歩夢さんのことですか?」

侑「はい」

海未「……必要とはどういうことですか……? 歩夢さんとしずくさんは、人質として連れ去られたのでは……」

かすみ「そういえば……歩夢先輩にポケモンを手懐ける力があるーとかなんとか言ってましたね……」

海未「ポケモンを手懐ける力……?」

侑「その……なんというか、歩夢はポケモンからすごく好かれる体質で……そういうのを言ってるんだと思います……。それがどう必要なのかは……よくわからないんですけど……」

海未「…………」


海未さんは口に手を当てて考え始める。


海未「一つ確認したいことが出来ました。穂乃果」

穂乃果「ん、何?」

海未「ウルトラビーストとやらの姿を確認出来るものは持っていたりしますか?」

穂乃果「あ、うん! 私のポケモン図鑑なら、ウルトラビーストのデータも入ってるから見られるよ!」

海未「わかりました。パソコンに繋げてプロジェクターで映すので、少し貸してもらってもいいですか?」

穂乃果「うん」

海未「鞠莉、少し手伝ってもらえますか? 図鑑の操作なら、貴方が一番だと思うので……」

鞠莉「OK.」



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