93: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/12/19(月) 12:08:07.10 ID:c3b0uZJF0
にこ「ま、真姫……?」
花陽「ま、真姫ちゃん、どうしたの……?」
真姫「……っ……あのテロは最初から……せつ菜を唆すために起こしたものだったのね……っ!!」
真姫さんはクールで冷静沈着なジムリーダーだと言うのが有名な人なのに──今は私が見ても一目でわかるくらいに怒りを剥き出しにしていた。
海未「真姫……それはどういうことですか?」
真姫「……あの子の父親は……反ポケモン派で有名な人なの……! あの子の父親もあの打ち合わせに居て、あの子が父親の前でポケモンを使うように仕向けられたのよ……!! 目の前で、人がポケモンに襲われていたら、あの子はなりふり構わず、絶対助けるに決まってる……!! だから……!!」
にこ「ま、真姫!! あんた、ちょっと落ち着きなさい!!」
真姫「…………」
海未「真姫、にこの言うとおりです。あの現場でポケモンを無力化したのは一般のトレーナーで、名前は──」
真姫「……菜々でしょ」
善子「……え?」
ヨハネ博士が真姫さんの言葉に反応した。
私もその名前には聞き覚えがあった。菜々って……まさか……。
真姫「ナカガワ・菜々……」
海未「え、ええ……確かに、ナカガワ・菜々さんですが……」
真姫「私の秘書で……──普段は、ユウキ・せつ菜と名乗っているポケモントレーナーよ……」
真姫さんが言うのと同時に──ガタンッ! と大きな音を立て、椅子をひっくり返しながら立ち上がった人がいた。
善子「……どういう……ことよ……」
ヨハネ博士だった。
真姫「善子……」
善子「菜々は…………せつ菜だって言うの……?」
真姫「…………」
善子「まさか……あんた、全部知ってて……」
真姫「…………」
善子「……菜々が……千歌を……攫ったってこと……?」
真姫「…………」
善子「…………ちょっと……どうして、そんなことになるの……? 菜々は誰よりも優しい子なのよ……? その菜々が……なんで、そんなことするようになっちゃうの……?」
真姫「…………ごめんなさい……」
善子「……っ……!! ごめんなさいじゃないでしょ!? あんた、一体菜々に何を教えて──」
鞠莉「Be quiet.」
善子「……!」
鞠莉「善子……座りなさい。ここはケンカをする場じゃないでしょう」
善子「でも……!」
鞠莉「Sit down. 座りなさい」
善子「……っ」
ヨハネ博士は、下唇を噛みながら立ち尽くす。
791Res/1707.57 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20