92: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/12/19(月) 12:07:22.77 ID:c3b0uZJF0
穂乃果さんが異を唱えた。
海未「何故ですか?」
穂乃果「……従わされているって言うには、少しふざけてるというか……追い詰められてるような雰囲気を感じなかったんだよね」
侑「確かに……愛ちゃんはなんというか……終始ふざけているような感じだった気がします」
穂乃果「うん。協力的ではないけど……消極的でもなかったというか……」
かすみ「確かに、ずっと周りを小馬鹿にしたような喋り方する人でしたね! かすみん、ちょっとイライラでした!」
海未「ふむ……」
海未さんは口元に手を当てる。
海未「……どちらにしろ、彼女に関しては情報が少なすぎて、ここで結論を出すのは難しそうですね……。リナの言うとおり、発信機とスタン機能の付いている首輪の存在は気になりますが……」
海未さんは愛ちゃんに関しては、ひとまずそうまとめて、
海未「わかる方の情報を整理しましょう」
次の話へと移る。
海未「情報がほとんどない愛に対して──果林は情報が多いです。彼女は言わずと知れた有名なモデルで、メディアにも多く露出していました。この場にいる人も、彼女を知っている方は多いんじゃないでしょうか」
ことり「うん……コーディネーターとしても有名だから、ことりは何度かお話ししたこともあるよ」
曜「私も、何回かコンテスト会場で会ったことがあるかな。……いっつもファンに囲まれてて、本当にカリスマファッションモデルって感じだった……」
海未「彼女のモデルとしての実力は本物なのでしょう……ですが、冷静に見てみると、おかしな点がいくつかあります」
ことり「おかしな点……?」
海未「彼女は──4年程前から、唐突に芸能界に現れているんです」
曜「そうなんですか……?」
海未「はい。経歴を洗い出してみたら……本当にある日突然、大企業のファッションモデルとして抜擢されているんです」
ことり「言われてみれば……確かにそうだったかも」
海未「いくら実力があっても……唐突に大企業からのバックを得るのはさすがにおかしいと思いませんか?」
曜「確かに……協賛契約を結ぶのって大変なんだよね……」
海未「それが気になったので……先日彼女に急に大きな仕事を依頼したいくつかの企業の取締役に、精神鑑定を受けてもらったんですが……。……漏れなく、催眠暗示のようなものを受けているということがわかりました」
彼方「……! まさか、フェローチェの毒……」
海未「……やはり、何か心当たりがあるんですね?」
彼方「果林ちゃんの持ってるフェローチェってウルトラビーストは……人を魅了して操る力があるんだ……」
海未「やはりですか……直近で彼女に仕事を依頼したローズのビジネスショウの責任者にも、同様の精神鑑定を受けてもらったら、同じ結果が出ましたし……」
真姫「……え?」
海未さんの言葉を聞いて、真姫さんが驚いたように目を見開いた。
海未「そういえば真姫は……つい数日前に、彼女と仕事の打ち合わせをしたそうですね」
真姫「え、ええ……」
海未「しかも、その日、その会議を行ったビルにて……ポケモンによるテロが起こった。……これは偶然ではなく、恐らくあのテロも一連の計画の中で仕組まれたものだったと考えた方が自然です」
真姫「……! まさ、か……」
海未「ただ、解せないのは……何故彼女がそんなことをしたのか、ですね……。目的が千歌であるなら……わざわざこんな目立つことをする意味がない……となると、他に何か目的が──」
真姫「……っ!!」
真姫さんは──ダン!! と机を叩きながら立ち上がった。
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