86: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/12/19(月) 12:02:29.18 ID:c3b0uZJF0
彼方さんは、ヨハネ博士の言葉に頷く。
かすみ「あ、あの侑先輩……」
侑「……なにかな」
かすみ「かすみん、彼方先輩が何言ってるのか全然理解出来ないんですけど……」
侑「大丈夫、私も全然頭が追い付いてないから……」
あまりに突拍子もない話が多すぎて、脳がうまく情報を処理しきれていない。
とりあえず、一個ずつまとめていこう……。
……彼方さんや果林さん、愛ちゃんはもともと異世界に住んでいて、その世界を救うための組織にいた。
だけど、考え方の違いから、彼方さんは遥ちゃんと一緒に、組織の大事なものを盗んで他の世界に逃げだしたけど……その最中──果林さんに襲われて、この世界に落ち……記憶を失って、この世界で生活していた……って感じかな。
海未「その亡命の理由とやらは……聞いてもいいですか?」
彼方「……プリズムステイツに存在する政府組織は……世界再興のために──他の世界を滅ぼすことを計画したんだ」
海未「……なんですって?」
世界を滅ぼす──物騒な言葉に海未さんが顔を顰める。
鞠莉「Hmm... あなたたちの住んでいる世界が破滅の危機に瀕していて、それを救おうとしていることはわかったわ。だけど、それと他の世界を滅ぼそうとすることに何の因果関係があるの?」
彼方「あの……ここまで言っておいて、あれなんだけど……実は彼方ちゃんは基本的には実行部隊みたいな立ち位置だったから、具体的にどうしてそうすると世界が救われるのかはよくわかってなかったんだ……。ただ、エネルギーの流れを変えるとか……そんな感じのことは言ってたけど……」
にこ「わかんないのに、そんな組織に身を置いてたの……!?」
真姫「……逆でしょ」
にこ「……逆?」
真姫「理屈もわからないのに、他の世界を滅ぼすことが自分たちの世界を救う方法だ、なんて言われたから……逃げることにしたんでしょ」
にこ「あ、なるほど……」
海未「どういう組織だったのか……もう少し具体的に教えてもらってもいいですか?」
彼方「えっと……もともとはプリズムステイツの研究機関が基になってて……そこにいた二人の天才科学者が、ウルトラスペースを発見したことから始まった組織なんだー……。ただ、実際にウルトラスペースは危険を伴う場所だったし、ウルトラビーストと戦闘になることもある……だから、実行部隊っていう戦う専門の部隊が出来たんだ。その組織をプリズムステイツの偉い人たちが管理してたって感じかな……」
穂乃果「彼方さんは、その実行部隊にいたんだね」
彼方「うん……それで、その組織の中で戦闘の実力がトップの二人には……それぞれ“SUN”と“MOON”って称号階級と一緒にポケモンが渡されてたの……」
そう言いながら、彼方さんは腰からボールを外して──ポケモンを出す。
「────」
彼方「それが……この子」
侑「遺跡で戦ってるときに私を助けてくれたポケモン……」
あの、金色のフレームの中に、夜空のような深い青色をした水晶がはまっている姿をしたポケモンだ。
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